それは突然だった。昨日午後、インターネットを何気なく見ていたら、加藤和彦さんの死去とあった。驚いて見てみると、軽井沢のホテルで自殺の報、こんなことがあるのかと!とても信じられなかった。
思えば最初に買ったレコードがフォークル(フォーク・クルセターズ)で、それ以来フォークルのメンバーである、加藤和彦・北山修・はしだのりひこのレコードを買いあさった。それは中学校の頃で、特に加藤和彦さんの作る音楽は先進的で自分の求めている、都会的で洗練されたものと合っていて、以降加藤さんの作る音楽に嵌ってしまう。
加藤さんはサディスティック・ミカ・バンドを結成し、その後ソロに転身する。70年代から80年代にかけて日本の音楽シーンをリードした。加藤さんの作る楽曲は都会的で洗練されおり、当時奥さんだった安井かずみさんとコンビは音楽のみならずファッションやライフスタイルまで世間の注目を浴びた。特に1979年から「ヨーロッパ3部作」といわれたアルバムは音楽性や芸術性も高く、私の中では最高傑作である。
加藤さんの作る音楽は文学・演劇・絵画など芸術面での要素も取り込んでおり、田舎もの自分にとっては加藤さんの音楽を聴くことで、いっぱしの文化人を気取っていた。
しかし、高い音楽性や芸術的感性を兼ね備えていた加藤さんが自殺するなどとは思いもよらなかった。晩年は鬱病とのことだったが、偉大な人には偉大の人なりの、我々凡人には理解しがたいものがあったのだろうか?遺書には「世の中が音楽を必要としなくなり、もう創作の意欲もなくなった。死にたいというより、消えてしまいたい。」とあったという。今はただただ加藤さんのご冥福をお祈りするばかりだ。
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