五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

宇津ノ谷峠

 私の勤めている工場は今閑散期にある。必然的に休みが多くなるが、その休みを利用して先々週と先週、藤枝市(旧岡部町)と静岡市の境界にある宇津ノ谷峠に行ってきた。宇津ノ谷峠は、万葉の時代から東海道の交通の要地と知られ、平安時代からの道である「蔦の細道」、明治時代に建設された「明治のトンネル」といった貴重な文化遺産も保存されている。

 先々週は岡部町側にある道の駅に車を止め、「蔦の細道」を歩いてみた。この「蔦の細道」、‘細道’というより‘山道’と言った方があっていて、急な斜面が多くて50代に近い体にはちょっときつかった。伊勢物語に「駿河なる宇つの山辺のうつつにも夢にも人に逢わぬなりけり」と宇津ノ谷峠を旅する旅人の心情を歌った下りがあるが、私も同様に歩いているときには‘人に逢わ’なかった。この‘山道’の脇を小川が流れ、せせらぎの音が聞こえてくるが、うっそうとした木立の中、昼なお暗く、行きかう人も少なく、灯りがない昔、山道を旅する旅人は心細かったのだろう。

 先週は静岡市側の道の駅に車を止め、宇津ノ谷集落から「明治のトンネル」、旧東海道を歩き、岡部町側に抜けた。「明治のトンネル(ちなみに近くに大正のトンネル、昭和のトンネル、平成のトンネルもある)」はその名の通り、明治時代に作られた日本初の有料のトンネルである。煉瓦造りのちょっと洒落た趣のあるこのトンネルを通り抜けてみたが、中はところどころで天井から滴が落ち、ひんやりとして結構涼しかった。トンネルから岡部町側に抜けることはできるが、如何せん先月の台風の影響で樹木が倒れており、地元の人が伐採作業をしていて、そのまま通ることはできなかった。旧東海道は江戸時代の参勤交代の制度により整備された。この旧東海道、「蔦の細道」に比べ、道幅の広く、勾配も若干は緩かったが、江戸時代の大名行列、籠や馬にはかなりきつかったのではなかろうか?しかもちょっと行ったところに‘越せぬ越されぬ大井川’がある。今でこそ車でいけばすぐだが、宮仕えとはいえ昔の人は旅するにも苦労したのだ。

 この顛末を私の第2のブログである「ぶらりフォト日記」に寄稿する予定だが、今パソコンのハードディスクの容量不足のため、撮った写真を取り込むのがちょっと困難な状態である。パソコンを新しく買い替えようと思うが、如何せんお金がない。さていつになることやら…。

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f:id:Kitajskaya:20140913075005j:plain 蔦の細道

f:id:Kitajskaya:20140913075058j:plain 明治のトンネル