五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

古館さん、それって変じゃない。

 韓国人が対馬でまた仏像を盗むという事件があったが、それを報道(11月25日)したテレビ朝日の「報道ステーション」コメンテーター(?)の古舘伊知郎氏のコメントがネットで批判を浴びている。

 昨日の映像で問題になっているのは、以下の発言

古館:「仏教ってのはそもそも生きる上で物質世界にとらわれている、その執着をダメだよっていう教えでもあるんですけどね」

ナレーター:「すべては借り物 だれのものでもないのです」

古館:「その大般若経のことは分かりませんけど、般若心経の有名なお経で言うと、『とらわれることから離れなさい』と『こだわることを忘れなさい』と。こだわらない心、とらわれない心、そういうことを教えてくれるんですよね」

 大丈夫?古館さん、そんな上から目線な発言して!

 案の定、ネットからは

そもそも仏教は盗みを教えていない」

「だれのものでもないから盗んでもいいの?」

「こだわらないと言うのなら、慰安婦問題にいつまでもこだわるなとお隣の大統領に言ってやれ」

「お釈迦様になったつもりか!」

「盗まれたほうが悪いって言ってるの?」

「仏像をくれてやれってこと?」

「韓国人盗賊団を広い心で赦そうと言ってる」   

「盗ったもの勝ちということなの?」

 と散々なご意見が寄せられていた。

 確かに古館さん、仏教の基本である「五戒」の一つである「偸盗戒(ちゅうとうかい)」、人の物を盗んではいけないという戒律があるのをご存じなかったようだ。

 それはそうと、古館さんが訳知り顔で言っていた「般若心経」とは、仏教の経典の中で、漢字でわずか267文字と最も短い。正式には「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)」と云い。大乗仏教の空・般若思想を説いた般若経の1つである。

 以下はこの有り難いお経の全文を書いてみる。

觀自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 

度一切苦厄 舍利子 色不異空 空不異色 色即是空

空即是色 受想行識亦復如是 舍利子 是諸法空相

不生不滅 不垢不淨不增不減 是故空中 無色 

無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色聲香味觸法 無眼界 

乃至無意識界 無無明 亦無無明盡 乃至無老死

亦無老死盡 無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故

菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罣礙 無罣礙故

無有恐怖 遠離顛倒夢想 究竟涅槃 三世諸佛

依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提

故知般若波羅蜜多 是大神咒 是大明咒是無上咒

是無等等咒 能除一切苦 真實不虛 故說般若波羅蜜多咒即說咒曰

揭帝揭帝 般羅揭帝 般羅僧揭帝菩提僧莎訶 般若波羅蜜多心經

 漢字がいっぱいなので、何を言っているのかわからないが、何を言っているか調べていくうちに、面白いものを見つけた。2010年ごろにニコニコ動画に投稿された動画「初音ミクアレンジ 般若心経ロック」に、ある匿名ユーザーがコメントとして書き込まれたもので、見事に般若心経を現代の若者言葉に翻訳している。当時はかなり反響を呼んだようだ。

超スゲェ楽になれる方法を知りたいか?
誰でも幸せに生きる方法のヒントだ
もっと力を抜いて楽になるんだ。
苦しみも辛さも全てはいい加減な幻さ、安心しろよ。

この世は空しいモンだ、
痛みも悲しみも最初から空っぽなのさ。
この世は変わり行くモンだ。
苦を楽に変える事だって出来る。
汚れることもありゃ背負い込む事だってある
だから抱え込んだモンを捨てちまう事も出来るはずだ。

この世がどれだけいい加減か分ったか?
苦しみとか病とか、そんなモンにこだわるなよ。

見えてるものにこだわるな。
聞こえるものにしがみつくな。

味や香りなんて人それぞれだろ?
何のアテにもなりゃしない。

揺らぐ心にこだわっちゃダメさ。
それが『無』ってやつさ。
生きてりゃ色々あるさ。
辛いモノを見ないようにするのは難しい。
でも、そんなもんその場に置いていけよ。

先の事は誰にも見えねぇ。
無理して照らそうとしなくていいのさ。
見えない事を愉しめばいいだろ。
それが生きてる実感ってヤツなんだよ。
正しく生きるのは確かに難しいかもな。
でも、明るく生きるのは誰にだって出来るんだよ。

菩薩として生きるコツがあるんだ、苦しんで生きる必要なんてねえよ。
愉しんで生きる菩薩になれよ。
全く恐れを知らなくなったらロクな事にならねえけどな
適度な恐怖だって生きていくのに役立つモンさ。

勘違いするなよ。
非情になれって言ってるんじゃねえ。
夢や空想や慈悲の心を忘れるな、
それができりゃ涅槃はどこにだってある。

生き方は何も変わらねえ、ただ受け止め方が変わるのさ。
心の余裕を持てば誰でもブッダになれるんだぜ。

この般若を覚えとけ。短い言葉だ。

意味なんて知らなくていい、細けぇことはいいんだよ。
苦しみが小さくなったらそれで上等だろ。

嘘もデタラメも全て認めちまえば苦しみは無くなる、そういうモンなのさ。
今までの前置きは全部忘れても良いぜ。
でも、これだけは覚えとけ。

気が向いたら呟いてみろ。
心の中で唱えるだけでもいいんだぜ。

いいか、耳かっぽじってよく聞けよ?

 

『唱えよ、心は消え、魂は静まり、全ては此処にあり、全てを越えたものなり。』
『悟りはその時叶うだろう。全てはこの真言に成就する。』

心配すんな。大丈夫だ。

 お見事!誰が考えたか知らないが、世の中にはすごい人がいるものだ。

 ちなみに、ニコニコ動画に投稿された動画はこれのようだ。

 


初音ミクアレンジ「般若心経ロック」 - YouTube

 私の実家は日蓮宗だが、日蓮宗は般若心経を唱えない。だから私は大学に入って初めて般若心経を知った。日蓮宗は「法華経」こそが真実の教えであり。それ以外は読む必要がないからである。だから子供の頃は、お寺に行き、「南無妙法蓮華経」と、とにもかくにもお題目を唱えされられた。冬には「寒行」にも付き合わされたこともある。あれはとにかく寒かったなあ。

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写真:無料写真素材 写真AC 般若心経 紺色らいおん