この一週間は、雨に祟られた一週間でした。しかも季節が冬に戻ったような寒さ、何でも東京では雪が降ったとか、もう桜は散り始めたというのにこの異常ともいえるお天気!いったいどうしたのでしょうかね?
さて、今回も私の‘哀’読紙である日刊ゲンダイの記事から、注目すべく記事を見つけました。厚生労働省が発表する市区町村別の「がん死亡率(平均を100)」で、静岡県の掛川市が女性1位男性2位、藤枝市が女性2位男性3位、磐田市や浜松市も上位に入りました。
女性(死亡比) 男性(死亡比)
1 掛川市 (静岡 ) 77.0 国分寺市 (東京 ) 80.1
2 藤枝市 (静岡 ) 80.3 掛川市 (静岡) 80.7
3 うるま市 (沖縄 ) 81.0 藤枝市 (静岡 ) 81.0
4 磐田市 (静岡 ) 82.1 飯田市( 長野 ) 81.5
5 津山市 (岡山 ) 84.0 練馬区 (東京 ) 81.6
6 飯田市 (長野 ) 84.9 三鷹市( 東京 ) 81.9
7 桑名市 (三重 ) 85.6 浜松市 (静岡) 83.8
8 浜松市( 静岡) 85.8 所沢市 (埼玉 ) 84.2
9 成田市 (千葉) 86.5 仙台市泉区( 宮城) 84.6
10 横浜市青葉区 (神奈川) 87.1 横浜市青葉区 (神奈川 ) 84.7
11 鹿屋市 (鹿児島) 87.8 上田市 (長野) 85.7
12 横浜市都筑区 (神奈川) 87.9 磐田市 (静岡 ) 85.8
13 松阪市 (三重) 88.0 青梅市( 東京 ) 86.1
14 広島市安佐南区 (広島 )88.1 津市 (三重) 86.4
15 青梅市 (東京) 88.3 松阪市 (三重) 86.6
16 津市 (三重 ) 88.3 流山市 (千葉) 86.8
17 稲沢市 (愛知) 89.2 長野市 (長野 ) 87.1
18 東広島市 (広島) 89.4 各務原市 (岐阜) 87.4
19 東近江市 (滋賀 ) 89.5 横浜市栄区 (神奈川 ) 87.7
20 長野市 (長野 ) 90.4 さいたま市浦和区 (埼玉 )87.8
参照:がんによる死亡率が少ない市区町村ランキング(男女別)
厚生労働省 人口動態特殊報告平成15~19年 人口動態保険所・市区町村別統計より
がんによる死亡率が少ない市区町村ランキング(男女別)を20位まで載せました。日刊ゲンダイの記事にもありましたが、上位の市区町村はいずれもお茶の産地が多いですね。静岡県のみならず、三重県(菰野茶)、埼玉県(狭山茶)、鹿児島県(知覧茶、霧島茶、種子島茶、頴娃茶など)、愛知県(西尾茶、生産されるお茶のほとんどが抹茶に使用されるそうです)などなど。
お茶の渋みの成分であるカテキンは、脂肪の吸収を抑えたり、血液中のコレステロールの値を下げるなど様々な効能があることが知られています。最近では、がんの予防に効果があると言われています。埼玉県立がんセンターでは、1日にお茶を10杯以上飲むとがんの危険性を減らせることを実証していますし、静岡県立大学では、カテキンががん細胞にアポートシス(自死)を起こさせることを検証しています。さらに言えば、アメリカの研究機関もカテキンが がん細胞の増殖を抑制し破壊することを発表しています。古くから日本人が飲んでいるとはいえ、改めてその効能には驚嘆します。
掛川市と言えば、国道1号バイパスを使って藤枝から浜松方面に向かう時、大井川に架かる手前くらいで、山の中腹に大きな「茶」の文字が現れます。この「茶」文字が書かれている(?)は粟ヶ岳(あわがたけ)という掛川市にある標高532mの小さな山ですが、この山の麓の農家で栽培される掛川茶の栽培方法が注目を浴びているそうです。「茶草場農法(ちゃくさばのうほう)」と呼ばれるこの農法、秋から冬にかけて茶園の周辺にある「茶草場」の草を刈り取って茶園の畝間に敷く伝統的な農法のことをいい、草を敷くことでお茶の味が良くなることから、昔から茶農家の方は手間暇をかけて草を刈り、茶園に敷いてきました。また定期的に草を刈り取ることで、キキョウやノウルシ、カワラナデシコ、ツリガネニンジン、ササユリなどといった絶滅危惧種や希少動植物種の保護にも貢献しているそうです。
この「茶草場農法」、2013年5月に「静岡の伝統的な茶草場農法」として、国際食糧農業機関から「世界農業遺産」に認定されました。掛川茶は「深蒸し茶」といって、茶葉が細かく、青臭みが少ない、甘みのあるお茶ですが、これを機に掛川のお茶が世界に向けて発信できればいいですね。
東山産特選深蒸し掛川茶・茶草場農法のお茶作り Chagusaba Farming Methods ...
藤枝市も掛川市と同じく、昔からお茶の産地で有名で、藤枝市が生んだ食文化である「朝ラー」も元はと言えば、朝が早い茶業関係者のために開店時間を早めたのが始まりだとか。藤枝市の茶業は新興産地の隆盛に伴い停滞気味でしたが、藤枝茶振興協議会は茶産地‘藤枝’の復活のため、1996年に香りの強い紅茶系品種「静印雑131」と日本茶の代表品種である「やぶきた」を掛け合わせてできた「藤かおり」を品種登録しました。これを機に、藤枝市では官民一体となり茶業振興の起爆剤となるよう大々的にPRします。2002年には「藤枝かおり」として商品登録して、日本茶の販売を開始します。ただ当初は苦戦したようで、2007年に「藤枝かおり」をペットボトルとして販売したのが大ヒットし、これを機に「藤枝かおり」も徐々に認知度や販売も軌道に乗っているようです。
「藤枝かおり」の特徴は日本茶離れした香りに特徴があります。当初苦戦したのも、この香りに茶小売店が敬遠したのがその理由です。香りとしてはジャスミン茶や紅茶のような感じ、ほんのり甘い香りがします。どちらかと言えば洋菓子や洋食に遭う感じですね。最初は私もこの香りには戸惑いましたが、慣れてくると病み付きになりました。ペットボトルは夏の熱いときに冷やして飲むといいですよ!
このほかにも藤枝茶振興協議会がブランド化を進めているのが、「藤枝めぐみ」と「藤枝くれは」。「藤枝めぐみ」は市民が選んだ飲んで美味しいお茶です。藤枝市の製茶工場で作られた原料茶を市内の茶師たちが匠の技により仕上げ、それを藤枝めぐみ審査会にて公募により選出された市民が審査し入選したお茶を「藤枝めぐみ」として販売します。こちらは「藤枝かおり」と違って普通のお茶です。
「藤枝くれは」は「藤枝かおり」の原料品種である「藤かおり」を使用して作られた紅茶です。原料確保が難しく貴重品とのこと、残念ながら私もこの「藤枝くれは」にはお目に掛かっていません。ちなみにこの3つを「藤枝茶三姉妹」というそうです。
「がん死亡率」から話は変な方向に行きましたが、やはり日本人には日本茶が一番、日本茶があるからこそ、日本人は世界に名だたる長寿国として君臨(?)で来るのではないかな?各飲料メーカーが日本茶飲料に凌ぎを削るのもわかります。我が家でも子供たちに「健康のため日本茶を飲め」と口を酸っぱくして言うのですが、なかなか言う事を聞きません。困ったものです・・・・。
玉露の里 瓢月亭
参照:日刊ゲンダイ4月9日 健康長寿 掛川市藤枝市 静岡県はなぜ“がん死”が少ないのか
O-CHA NET お茶の効能研究最前線
supplement lab カテキンの効果と効能
NAVAR [薬いらず?]緑茶の効果/効能が最強すぎる
世界農業遺産 静岡の茶草葉農法
内閣府 地域活性化総合情報サイト 地域活性化の取り組み事例の紹介 静岡県藤枝市
こんな恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
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