五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

おめでとう東大 15年ぶり勝ち点

 先日神宮球場で行われた秋の東京六大学野球秋のリーグ戦で、東京大学が法政大学に連勝し、2002年秋の対立教大戦以来15年ぶりの勝ち点を挙げました。東大が法大から勝ち点を挙げたのは1993年秋以来で、法大から連勝して勝ち点を得たのは1928年以来何と89年ぶりとのことです。東大は2015年春のリーグ戦で連敗記録を94で止めましたが、その時の相手も法政、東大は法政に苦手意識を与えたかもしれませんね!!

 もう30年近く前ですが、相手はどこだったかもう忘れましたが、神宮球場六大学野球のその大学と法政大学との試合を見に行ったことがあります。当時も法政は小早川選手や西田選手、木戸選手といったPL学園で優勝したメンバーでのちにプロでも活躍されていた強者がいました。試合前のバッティング練習を見ましたが、法政と相手チームとではバットを振る音が格段に違い、スイングする音が私のいた外野席まで聞こえるような勢いでした。法政のバッターたちがポンポンと外野に次々と打球を放つ様が印象的でした。ですから私が持つ法政の野球部のイメージはとてつもなく強いというしかなく、その強い強い法政に東大は勝つのだから、まさに凄いの一言しかありませんね!!

 ただ調べてみると弱小とされている東大野球部は時々金星を挙げており、あの怪物“江川”投手に東京六大学リーグで初黒星を付けたのも、またその江川投手に初ホームランを浴びせたのも実は東大だったことはあまり知られていません。最近では2010年10月には早稲田大学にも勝利しています。その時のピッチャーが2006年夏の甲子園を沸かせたヒーロー“斉藤祐樹”投手でした。(もっともその勝利から悪夢の94連敗が始まりましたが・・・。)

 

kitajskaya.hatenablog.com

 さて試合を振り返ってみますと、前日の勝利で勢いに乗る東大は1回から打線が爆発します。法政の先発長谷川投手をノックアウトし、打者一巡の猛攻で一挙4点を奪います。その後1点差に追いつかれた4回裏に2本のホームランで4点を追加し法政を突き放しにかかります。6回からは前日に完投勝利を挙げたプロ注目の左腕宮台康平投手がマウンドへ上がり逃げ切りを図ります。しかしそこは六大学野球で優勝回数44回を誇る百戦錬磨の法政、簡単には勝たしてはくれません。宮台投手から6回と8回に1点ずつを追加、そして3点差で迎えた9回表、ここで法政は最後の意地を見せます。先頭打者の中山選手が宮台投手からレフトスタンドへ一発を放つと続く選手が内野安打、一死後にセンター前ヒット、さらに四球で一死満塁の場面を迎えます。続くバッターは内野ゴロでしたが、その間に1点追加します。ここで二死2,3塁、ヒットが出れば逆転と絶体絶命の場面を迎えます。「自分のストレートを信じて、気持ちだけで投げました」宮台投手は後ほど語っていますが、最後のバッターをレフトフライに抑え1点差で辛くも逃げ切りました。

 宮台投手は試合後のインタビューで

 「勝ち点は1勝とは訳が違う。東大に受かったのと同じくらいの喜びです。この喜びは東大野球部を知っている人にしか分からない。全員で勝てた勝利だと思う」 

と語っています。東大は10月21日、22日の対明治大戦を残しています。この結果次第では1998年春から続く最下位から脱出が実現できるかもしれません。東大には是非とも頑張ってもらいたいものです。

 

www3.nhk.or.jp

▷試合結果 2回戦(東大2勝)

法政大 0 2 1 0 0 1 0 1 2 7
東京大 4 0 0 4 0 0 0 0 × 8

 

 15年ぶりの勝ち点を挙げた立役者はやはりエース左腕で“赤門史上最強の投手”の呼び声高い宮台康平投手でしょう。宮台投手は神奈川県の進学高である湘南高校出身。(ちなみに湘南高校夏の甲子園で過去1回優勝経験があります)驚くのは宮台投手が所属する学部で、文系の最難関で多くの官僚たちを輩出するあの東大法学部。宮台投手は現役で東大文Ⅰに合格したことになります。凄いなあ・・・!!ネットで宮台投手の御尊顔を拝見しましたが、これが甘いルックスで、このルックスでは世の女性たちほっとしておかないでしょうねえ!?「天は二物を与えない」とよく言われますが、世の中には彼のように二物も三物もある人はいるんですね。何の才能もない私にはとても羨ましい限りです・・・。

 宮台投手の東京六大学リーグでの通算成績は10月8日現在で6勝12敗。彼は最速150キロのキレのいいストレートとカーブとシンカーが武器で、東大が故に勝ち星には恵まれせんが、それでもプロ注目の左腕としてプロ野球のスカウトからかなり評価されています。

 広島の苑田スカウト部長は、

「バランスよく投げているし、リズムをつかめている。プロでも十分通用する。」

 楽天の長島スカウト部長は、

「持っている能力、素材の高さは認識している。即戦力というより、数年間で体力をつけて、というタイプだけど貴重な左腕」

 中日の佐藤スカウトは

「バランスを意識して投げている。終盤はバテていたけれど、リラックスして安定した投球だった。」

とプロのスカウトマンたちの評価も上々で、今回の法政戦に2連勝したこともあり、マ更に評価は上がると思います。何でも阪神早稲田実業の注目のスラッガー清宮”選手のハズレ1位に宮台投手を指名するという噂が実しやかに流されています。 

 今回の15年ぶりの快挙、プロ注目ということで宮台投手がクローズアップされますが、やはり東大野球部を率いる浜田一志監督の力なくしてはこの快挙は成し遂げられなかったと思います。浜田監督は2013年春、当時46連敗中の母校・東大の監督に就任されます。就任されても2年間は勝ち星すら上げることができず、2015年春ようやく1勝することができました。当時浜田監督は「東大を強くしたいと取り組んで成果が出た。」と語っています。

 「とにかく練習しかない。東大の選手には努力を続ける才能がある。そこに懸けた。」そう語る浜田監督は監督就任後に最初に基礎体力の向上を推進しました。1日5000カロリーの摂取を義務付けて野球をする体作りを徹底します。体作りが出来てくると次は元中日の谷沢健一さんや元巨人の桑田真澄さんらを特別コーチ(元中日)に招聘し、技術指導を行い、野球部員たちにプロの極意を伝授させます。さらに速球に振り負けないように打撃投手をマウンドから4メートル前にして打ち込ませ、スピードに負けない力強いスイングを選手に身に着けさせるなどの方法を取り入れて地道に練習に取り組んできました。

 また母校の野球部を少しでも強くしたい思いから、浜田監督は野球部のスカウト活動も行っています。浜田監督は野球部の監督を務める傍ら「Ai西武学院」という学習塾を経営しています。そのノウハウを活かし東大合格を目指す「野球のうまい高校生」に浜田監督は受験勉強を手助けする支援活動を行っています。また全国各地の中学や高校で講演活動も精力的に行い、その中で有望な選手を見つけると東大に合格できるように勉強法を教えているそうです。

 さらに東大野球部には約20人からなる「分析チーム」が存在します。分析チームは「走」「攻」「守」の3班に分かれ、相手チームを徹底分析したり、自分のチームの技能を数値化して選手に提示したりしています。東大野球部のように弱小と言われているチームが身体的能力が高い選手を多数擁する強豪校に勝つには選手が納得し使えるデータが必要不可欠です。法政戦で3ランホームランを放った4番バッターの田口選手は「分析チームのおかげで狙い球を絞れた」と感謝しています。

 東大野球部のグラウンド“東大球場”から歩いて10分ほどの距離に野球部員の合宿所「一誠寮」があり、寮にはリーグ戦で期待できる選手やマネージャーなど約30名ほどが住んでいるそうです。一誠寮のロビーには「一誠寮」と書かれた額が飾られています。ただこの額の「誠」の文字の最後の一画、つまり右側の「成」の部分の「ノ」の部分ですが、その「ノ」が書かれていません。これは東大野球部の初代野球部部長で夏目漱石の主治医でもあった病理学者の長與又郎さんが書き損じたという話がです。これを指摘した選手に長與さんは「この一画は東大が六大学野球リーグで優勝したときに入れよう」と語ったとか。一昔前でしたら夢のような話で一笑に付されたかもしれませんが、浜田監督の熱意と選手たちの弛まぬ練習を見ていると、「ノ」の字を入れるのもそう遠くない未来かもしれませんね!? 

 

 東大の応援歌と言えば、「ただひとつ」:


2012-05-26 東京大学 応援歌 【ただひとつ】 歌詞字幕付き

 

おまけ:東大野球部監督浜田一志さんの著書です。

偏差値30から東大に合格する勉強法

偏差値30から東大に合格する勉強法

 
部活しながら東大に受かる勉強法

部活しながら東大に受かる勉強法

 
中学受験 算数の文章題 解法パターンまる覚え100

中学受験 算数の文章題 解法パターンまる覚え100

 

 

 

f:id:Kitajskaya:20150524094652j:plain

 

参照:産経新聞 2017年10月9日付 東大15年ぶり勝ち点 宮台連投「全員の力」

   スポニチアネックス 15年ぶり勝ち点の東大、

                    打線躍進を支える20人もの「分析チーム」

   週刊ベースボール 東大勝ち点奪取に導いたドラフト候補・宮台康平

   ドラフトレポート 宮台康平

   講演依頼.com 浜田一志

   浜田一志公式WEBサイト 東大野球部スカウト部長活動報告

   東京大学野球部 一誠寮

   Wikipedia 東京大学運動会硬式野球部東京六大学野球連盟、長與又郎

 

お恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

ランキングに参加しています。クリックして応援していただけたらうれしいです!


人気ブログランキング