きびる、「結ぶとか、縛る」とか意味だが、私の生まれ育った大分ではごく普通に使っていた。私はずっとこれが標準語だと思っていた。東京にいた時にもなんとなく通じていたような気がするし、今考えてみるとこの言葉が無意識に出てこなかったかもしれない。
静岡に転勤になったときに、従業員に用事を言いつけるとき、何気なくこの言葉「きびる」を使ったが、彼らにはこの言葉の意味が理解できず、このとき初めてこの言葉が標準語ではなく方言だとわかった。静岡にいるときは（福島でもそうだが）、地元の言葉に馴染むというか、染まってしまうという事はなかった。性格がそうかも知れないが、地域コニュニティへの参加とか人間関係が密接になるのはどうも苦手だ。情けないことなのだが…。
何でこんなことを書くというと、今日何気にこの言葉を使ったが、当たり前のことだが福島県の人間にわかるはずもなかった。しかし従業員に1人宮崎県出身の女性がいて、彼女にはこの言葉が通じた。私は宮崎県には行った事がないが、やはり同じ九州なので言葉は似たようなものが多いのかとその時思った。かの女性も久しぶりに田舎の言葉を聞いて、望郷の想いを熱くしたらしい。（本当かな？）
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