成人の日に思う - 五つの池の喫茶店

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

　2021年も10日余りが過ぎ、お正月気分もそろそろ終わりです。とは言っても、ほとんどの人は昨年来の新型コロナウイルスの蔓延により今年はお正月は十分に満喫できなかったのではないでしょうか？その新型コロナウイルスですが、各地で年末からの‟第3波”で、全国各地で感染者数が爆発し、首都圏を始め関西圏や、これを書いている12日には中京圏でも緊急事態宣言が発令される模様です。

　依然として猛威を振るう新型コロナウイルス、欧米でワクチン接種が始まり、ようやく明るい兆しが見えてきました。日本でも今年中にワクチン接種が始まる予定ですので、来年あたりにはこの騒動も一段落していることを願ってやみません。

　さてまたまた前置きが長くなりましたが、去る1月12日は成人の日。毎年この時期おになると、新成人を祝う式典が全国各地で催されます。しかし今年は繰り返し述べている通り、新型コロナウイルスの影響で、中止や延期が相次いでいます。

　静岡県内でも、1月3日に草薙球場で式典を予定していた静岡市も、昨年末にはを決定しており、私の住んでいる藤枝市でも各地区の代表者のみ参加と大幅に縮小されました。通常通り開催されるのは県内35市町のうち浜松市など12市町で、残りの23市町は中止または延期、もしくは縮小となっており、焼津市はドライブイン方式での成人式を執り行っています。

　ドライブイン方式とはちょっと変わったやり方ですが、これは車に乗ったままで参加する形の成人式で、焼津市は新型コロナウイルス感染拡大を受けて各地で成人式が中止や延期となる中で感染対策を徹底しながら開催を実現するため、急遽この方式を決定しました。式は30分ずつ3回に分けて実施し、会場となった焼津新港には計471台が参加しました。

　ただ式中は車から出ることは禁止されており、「それだったらオンラインと変わらなうじゃん！！」と憎まれ口を叩く人もいましたが、帰省も外出すら困難な現状で、どんな形であれ、成人を地域で祝ってあげたいという焼津市の関係者の熱意には頭が下がる思いがしますし、新成人にとっては有難いものだと思います。

　1月6日現在の静岡県内の成人式の開催状況です。静岡新聞オンラインからの引用です。

	実施状況	詳細
静岡市	中止	オンライン中継
浜松市	開催	1月2日,3日,10日
沼津市	中止	メッセージ動画配信
熱海市	中止	メッセージ動画配信
三島市	中止	WEB配信
富士宮市	中止	メッセージ動画配信
伊東市	中止	WEB配信
島田市	中止	WEB配信
富士市	中止	8月14日にイベント開催
磐田市	中止	ネット配信
焼津市	変更	1月10日　ドライブイン方式での実施
掛川市	中止	WEB上でイベント
藤枝市	大幅縮小	WEB配信
御殿場市	中止	ネット配信
袋井市	開催	1月10日
下田市	開催	1月10日
裾野市	開催	1月10日
湖西市	中止	一部を動画配信
伊豆市	延期	WEBでメッセージ配信
御前崎市	中止	WEBでメッセージ配信
菊川市	中止	WEB上でイベント
伊豆の国市	中止	ホームページで祝辞を掲載
牧之原市	大幅縮小	WEB配信
東伊豆町	開催	1月10日
河津町	開催	1月10日
南伊豆町	開催	1月10日
松崎町	開催	1月10日
西伊豆町	開催	1月10日
函南町	中止	WEB配信
清水町	中止	WEB配信
長泉町	中止	WEB配信
小山町	開催	1月10日
吉田町	開催	1月10日
川根本町	規模縮小	1月10日
森町	開催	1月10日

　我が家でも娘が今年成人を迎えました。私たち家族が住んでいる藤枝市は式に出席する新成人1400人全員に新型コロナの抗原検査を実施するなど感染予防対策を徹底し、市内10か所での分散方式で開催予定でしたが、先に述べたとおり残念ながら成人式は中止、正確に言えば、各学区の代表者のみ参加の大幅縮小した形で、市長からのお祝いの言葉や新成人代表の言葉をSNSでライブ配信する形式となりました。

　娘が成人になるにあたって、実は1年近く前から成人式という晴れの舞台に入念（？）、といっても私の母親が中心ですが、準備をしていました。私の兄弟は弟だけで、母親としては女の子が欲しかったかどうかは知りませんが、成人式で娘が身につける振袖に異常なまでの執着心を持っていて、どうしても自分が娘にプレゼントすると言って、一昨年に帰省しましたが、それは娘の大学進学の報告を兼ねて、娘の振袖を作るためのものでした。そして昨年の夏は娘の振袖姿のお披露目のために帰省する予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の余波を受け、断念せざるを得ませんでした。

　さてその娘ですが、成人式が行われる予定であった1月10日、朝早くから着付けに出かけ、近くの飽波神社に参拝、その後蓮華寺池公園で写真を撮った後、近くのホールが写真撮影の場を設けてくれるとのことで、仲のいい友達と出かけていきました。その後、連日の新型コロナウイルスの報道を受けてか、友達とも食事とかをせずに帰ってきました。恐らく娘の友達も「食事は密になるからダメ」だと思ったのでしょうねえ。

　午後のなると、成人の記念の写真を撮ろうと以前から予約していた家族で写真館に行きました。そこでも娘はてきぱきと応対しており、先ほどの食事の件もそうですが、成人の日を迎えるにあたり、この子も「大人」になったなあとしみじみ思いました。ひょっとしたら私よりも「大人」かも、と感じ、嬉しい中にも、何となく娘が手に届かないような、また遠くに行ってしまったような幾許かの寂しさというものも感じました。

　新型コロナウイルスは成人式という娘の一生に一度の晴れ舞台を台無しにしてしまいました。これは子供だけではなく親、そして祖父母の想いというものをずたずたにしてしまいました。これは成人式のみならず、昨年来からスポーツや音楽、芸術など様々な分野で中止や延期が目立ち、ありとあらゆる分野で多くの若者やその親世代が悲しい思いをしています。このような異常な事態がいつまで続くかはわかりませんが、来年こそは新型コロナが沈静化し、娘と同じような思いをすることなく成人式が普通に執り行われることを切に願っております。

　ちなみに私は成人式には出席していません。そういえば両親も成人式については一言も言っていなかったなあ！？私の時代は今と違って1月15日が成人の日でしたが、私はその当時大学1年生で、翌日にフランス語の追試があったので、成人式は無理、というか成人式の通知も貰った記憶もなく、そもそも成人式の段取りというもの娘の成人式で知った次第です。今回の娘への振袖の件、息子への贖罪だとは思えませんが、いつの時代も親というものは孫には甘いものなんでしょうかねえ！？

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