昔から怠け者で、何でもかんでも先送りし、土壇場でいつもたいへんな思いをしてきた。家族からはいつもできのいい弟と比較され、うち🏠には自分の居場所がないように思え、早く実家から脱出したいと常々思っており、何とか大学生になることで上京し、窮屈で仕方がなかった生活から脱出することができた。
でも生まれ持った性格というのは変わることなく、親の監視の目が緩んだおかげか、大学生になったことで実家にいるよりも益々怠惰な生活をおくっていた。ただ学生生活は何とかなるもので、当時住んでいた世田谷区の下宿には私に輪をかけて怠惰な生活をおくっている人たちがいて、その人たちから学生生活や講義の選択などの的確な(?)アドバイスをもらったおかげで、留年をすることもなかった。
最終学年を迎え、就職活動をすることになった。しかしこのような怠惰な生活をおくっていたことと、覇気のない性格から当然のことながら就職活動はうまくいかず、周りが内定を出始めているのに、私は1つも内定をもらえずにいた。でもどういう訳か変な自信があり、何とかなると本気で思っていた、今思えば若気の至りだと思うが・・・。
そんな中、同じく内定をもらえていなかったゼミ仲間のM君から気晴らしに国立競技場で行われるコンサートのアルバイトをしないかと誘いがあり、こちらも苦戦する就職活動で気分も塞ぎがちだったこともあって二つ返事でOKした。仕事の内容はコンサート会場の設営とコンサートの警備だった。
何で今こんなことを書いているかというと、先日新型コロナウイルスの2回目のワクチン接種後に、熱を出してしまい、自宅でうとうとしていた時に、たまたまそのコンサート、「国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW」をYOU TUBEの動画で見つけたことからでした。まず今から36年も前の動画があったことに驚き、ふらふらな体を起き上げ、もしかして自分が写っているんじゃないかと、目を皿にして食い入るように動画を見ました。そんなことはまず無いんですけどね・・・。
ちょっと補足ですが、「国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW」は国連で1985年に採択された「国際青年年」を記念し、同年6月15日に国立競技場で行われた大規模なコンサートで、日本民間放送連盟と文部省・労働省・郵政省がバックアップし、ライオンが協賛して開催されました。ちなみに当時スタッフにTシャツが支給されましたが、洗いざらしでボロボロになりましたが、このTシャツは捨てることができずに今でも持っています。コンサートには当時第一線で活躍していたミュージシャンの方々が一堂に集まり、観客動員数63000人で、約4時間半をかけて演奏が行われました。
参加されたミュージシャン(登場順)
吉田拓郎、オフコース、ALFEE、アン・ルイス、ラッツ&スター、山下久美子、白井貴子、渡辺美里、山本恭司、武田鉄矢、さだまさし、イルカ、南こうせつ、チューリップ、つのだ☆ひろ、ブレッド&バター、チェッカーズ、はっぴえんど(大瀧詠一、細野晴臣、松本隆、鈴木茂)、サディスティック・ユーミン・バンド(松任谷由実、加藤和彦、高中正義、高橋幸宏、後藤次利、坂本龍一)、小田和正、財津和夫、佐野元春 with The Heart Land、サザンオールスターズ、薬師丸ひろ子
このコンサートで一夜限りですが、はっぴえんどとサディスティック・ミカ・バンド(実際にはボーカルが松任谷由実さんですが)が再結成されています。この2つの伝説のバンド、実は中高校生のころからのファンであり、私の憧れの的でもありました。彼らの音楽性は勿論の事、思考や生き方についても凄く格好が良く、スマートでお洒落で、いつか自分もああいう都会人になれたらと切望していました。結局はなれずじまいでしたが・・・。
このコンサートの警備のアルバイトが終わり、今度は7月末に静岡県のつま恋で行われる吉田拓郎さんのオールナイトコンサートの警備のアルバイト依頼が来た。さすがにM君は就職活動を理由に断ったが、私は何とかなると思い、喜んで受諾した。この仕事は結構きつかったが、色々な体験ができて面白かった。その間M君は念願の内定を獲得した。
やがて夏が終わり秋になっても私の就職先はなかなか決まらず、今度は阪神タイガースの21年ぶりの優勝を決める対ヤクルト3連戦の警備のアルバイト依頼が来た。普通の人ならここで断るのだが、私はもう自棄になってなっており、大学院に進学が決まっていたI君、彼は熱狂的な阪神ファンだったが、を誘って参加した。アルバイトの方は阪神が初戦で優勝を決めたおかげで第3戦はお払い箱になったが、野球チームのベンチ裏、優勝するチームと下位に甘んじているチームのモチベーションなどが見ることが出来た。
このアルバイトが終わり、しばらくしてから今いる会社からやっと内定をもらえることが出来た。あれから35年以上の月日が経ったが、私は会社を辞めることなく今に至っている。就職活動中に行われたアルバイト、夏になると思い出す。あのアルバイトで自分の人生を変えるということもなかったし、人生の糧になることはなかった。ただそれまでの色のない人生に一瞬だけでも色が着き、華やかな瞬間を過ごすことが出来たのだと思っている。
参照:Wikipedia 国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW
写真:無料写真素材 写真AC 国立競技場18 acworks
お恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
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