五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

恥を忘れた人だった…

 菅直人が総理退陣を表明した。表向きは特別公債法再生エネルギー特別措置法が成立、先の第二次補正予算と合わせ退陣条件としていた3つの法案が可決したことによるものだが、実は北朝鮮献金疑惑が表面化するのを恐れてのことだという。ルーピー鳩山氏から「ペテン師」呼ばわりされても、国会答弁で「そして誰もいなくなった」状態になっても、震災被災者から罵倒されても、断固権力の座に居座り、周りの進言に聞く耳を持たなかった偏屈の徒が一転総理の座を手放すのだから、この献金疑惑は国家体制を揺るがすような余程のものだと思う。いずれにせよニタニタ顔の薄気味悪いこの男の背後には、底のしれない深い深い闇がある。

 菅直人は退陣に当り記者会見で「与えられた厳しい環境の中でやるべきことはやった」と自らの政権運営自画自賛している。(8月27日 産経新聞)ではやるべき事とは何だったのだろうか?

   昨年の6月、菅内閣が発足したが、退陣に至る1年2か月の間、日本は未曾有の危機に瀕した。ならず者国家中国による尖閣諸島、ロシアによる北方領土および韓国による竹島と領土を巡る問題がエスカレート、歯止めをかけられない円高の問題、そして今年3月に発生した東日本大震災原子力発電所の事故の問題、いずれも国家の存亡に関わる大問題である。こうした問題に菅直人が何をやったのか?尖閣諸島では違法船舶の船長を開放し、その国益を無視した弱腰の行為が中国の付け入る隙を与え、中国のみならず韓国、ロシアの領土的野心を高めることとなった。中国に対して毅然とした態度を取り、日本の意思を国際社会に示すべきではなかったのだろうか?

 1㌦79円50銭を記録した戦後最大の超円高円高阻止に向けて菅直人氏が金融政策を講じた話は聞かない。発足当時、消費税引き上げ方針を唐突に発表し周りを困惑させ、それに懲りず、今度は環太平洋経済提携協定(TPP)の参加表明を発表、いずれも途中で頓挫し、実現の見通しも立っていない。子供手当は廃止され、ムダの温床である国家公務員の総人件費、目標である人件費2割削減などは何の目途も立っていない。菅内閣発足当初はプラスだった国民総生産(それも自民党政権から引き継いだエコ関連の景気刺激策の影響だが)もマイナス成長が続き、震災による生産や消費低迷も加わって、国民生活も悪くなる一方である。

 更に東日本大震災原子力発電所の事故だが、瓦礫の山は未だ片付かず、拡散された放射能のため、子供たちは学校のグランドが使えず、一部の子供は福島から逃げている。作物は放射能に汚染され、売ることが出来ず、悲観した農民は自ら命を絶った者もいる。震災と原発が同時に発生した不幸もあるが、震災からすでに6ヶ月も経とうとしているのに、このような悲惨な状況が続くとは考えられないことだ。またエネルギー政策を無視し、唐突に浜岡原発の停止を言いだし電力危機を煽った。挙句の果てに諸外国に原発輸入を推進していたにも拘らず、掌を返したように「脱原発」に方針転換するなど場当り的な発言を繰り返した。

 こんな今の日本の現状を見て「やることはやった」と自己評価する。普通の人なら誰しもおこがましくて口には出して言えない。だが菅直人は違った。臆面なく堂々と語っている。その無神経ぶりには驚かされるが、恐らく彼には私たち日本人が持つ「」の概念がないのだろう。彼の頭の中には自分のことしかないように思える。若い頃、市川房枝(恥知らずという点ではこの人も菅直人と同類だと思う)を踏み台してのし上がってきた。疑惑をすっとぼけたり、権力を手放さない執念じみた行為はその顕著なもので、自分のためなら人を騙したり、国民がどうなろうと“そんなの関係ねえ”って感じだろう。だから平気で嘘をついたり、人を傷つけたりできる。彼の生い立ちを云々言う資格は私にはないが、考えようによっては悲しい人間かもしれない。

 

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