五つの池の喫茶店

　今日は母の日ですね。我が家でも子供たちが嫁の好きなワインを買い、夕食は嫁が食べたいと言っていたお寿司を食べに行く予定です。とは言うものの、子供たちは自分のお小遣いは一切使わず、お金はもっぱら家計の財布、キビシ～イ・・・。

　さて、母の日の起源は世界中で様々ですが、アメリカの南北戦争から来ている説が最もポピュラーなようです。南北戦争終結後の1870年、女性参政権運動家のジュリア・ウォード・ハウは戦争中に敵味方問わず負傷兵の衛生状態を改善するために地域の女性を結束させたアン・ジャービスの活動を参考にし、夫や子供たち再び戦場に送るのを拒否しようと「母の日宣言」を発表し、アメリカ各地で母親たちが率先して平和と非武装を訴えます。ただ政治色が濃いこの活動は全国に展開するには至りませんでした。

　1907年5月12日、アン・ジャービスの娘アンナ・ジャービスが2年前に亡くなった母アンを偲び、アンが日曜学校で教師をしていた教会で生前に母を敬うことを提唱し、母が好きだった白いカーネーションを配りました。これが「母の日」の起源とされています。やがてこの働きかけがアメリカ全土に広がり、1914年には当時の大統領ウッドロウ・ウィルソンが5月の第2日曜日を「母の日」として制定し、アメリカ国民の休日になりました。

　アンナの行動が現在の「母の日にカーネーションを贈る」という習慣になりましたが、それが却ってアンナが理想としていた「母の日」と違う方向へ流れていきます。アンナが提唱した「母の日」は育ててくれた母に感謝することのみならず、母親の社会への貢献を讃えと平和を祈願する日としてをとらえていましたが、その崇高な理念は台頭した商業主義により、「母の日」は母親に感謝し贈り物する日に巧みにすり替えられていきます。

　「母の日」に贈るカーネーションの値段が高騰するのを見たアンナは1923年についに裁判を起こし、「母の日」の祝日の撤廃を訴えます。「母の日」を創設した人が、「母の日」を撤廃するという皮肉な裁判でしたが、結果的にアンナは敗訴し、失意のうち晩年を過ごすことになりました。

　「私は自分が作ったこの祝日の商業化を自分の手で阻止することで、母の恩に報いたかった」、これはアンナが死ぬ間際に言い残した言葉ですが、言葉の端々に彼女の無念さが滲み出ています。ちなみにアンナは一生独身で母になることはありませんでした。

　日本で「母の日」が始まるきっかけになったのは、1913年アンナ・ジャービスからメッセージを受けた青山学院の女性宣教師たちによる母の日礼拝とされています。ただその後はあまり普及せず、キリスト教関係者らが細々と活動していたようです。

　「母の日」を全国規模に普及したのはお菓子メーカーの森永製菓でした。1937年5月8日に「第1回森永・母の日大会」を東京練馬の豊島園で開催し、20万人のおかあさんを無料で招待しました。その後も「森永・母の日大会」は全国の主要都市に拡大し、戦争による中断もあったものの、毎年開催されるようになっていきました。終戦後の1949年ごろからアメリカに倣い「母の日」は5月の第2日曜日に行われるようになりました。

　日本の「母の日」は5月の第2日曜日ですが、以前「父の日」の記事に書きましたが、「父の日」に「母の日」も万国共通ではありません。例えばイギリスやアイルランドでは復活祭の46日前から前日までの四旬節の期間の第4日曜日に開催されています。

　下の表は「母の日」が採用されている国で、それが何時なのかをまとめたものです。2月とか8月とかにも「母の日」があるんですね!!　2月のノルウェーとか極寒で超辛そう!!

母の日	採用国
2月第2日曜日	ノルウェー
ユダヤ歴30日（通例2月）	イスラエル
3月3日	ジョージア
3月8日	ラオス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、スロベニア、マケドニア、アルバニア、ブルガリア
四旬節の第4日曜日	イギリス、アイルランド
3月21日（春分）	バーレーン、エジプト、レバノン、シリア、パレスチナ、ヨルダン、クウェート、アラブ首長国連邦、イエメン、オマーン、サウジアラビア、カタール、リビア
4月7日	アルメニア
5月第1日曜日	ハンガリー、リトアニア、ポルトガル、スペイン、ルーマニア、南アフリカ共和国
5月8日	アルバニア、韓国
5月第2日曜日	日本、アメリカ合衆国、オーストリア、カナダ、香港、台湾、オーストラリア、ドイツ、イタリア、南アフリカ共和国、シンガポール、ニュージーランド、ペルー、フィリピン、ベルギー、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、デンマーク、エクアドル、プエルトリコ、スイス、チェコ、リヒテンシュタイン、ウルグアイ、中国、ウクライナ、マレーシア、ボツワナ
5月10日	メキシコ、エルサルバドル、グァテマラ
5月15日	パラグアイ
5月26日	ポーランド
5月30日	ニカラグア
5月最終日曜日	アルジェリア、フランス、ハイチ、スウェーデン、チュニジア、ドミニカ共和国、モロッコ
8月12日	タイ
8月15日	コスタリカ
10月第3日曜日	アルゼンチン
11月16日	北朝鮮
11月最終日曜日	ロシア
12月22日	インドネシア

　先ほど「母の日」の起源のところで、アンナ・ジャービスが白いカーネーションを贈ったと記しましたが、「母の日」のカーネーションって定番は「赤」のはず、どうして「白」から「赤」に変わったのでしょうか？これは当初、亡くなったお母さんを偲び感謝することからスタートした「母の日」ですが、「母の日」が次第に普及するにつれて当然のことながら生きているお母さんにも感謝したいという人が出てきました。

　そこでアンナの提案で「母が生きているなら赤」「母が亡くなっているなら白」のカーネーションを胸につけることになったそうです。ただカーネーションの色で区別するとお母さんが生きているか死んでいるかで子供が傷つく恐れがあるため、日本では母の生死にかかわらず母の日に贈るカーネーションは「赤」という考えが定着しました。

　母の日にプレゼントするカーネーションですが、私の子供の頃は色は「赤」しかなかったように思います。今はカーネーションでも赤以外にでもいろんな色がありますね。俄には信じがたいのですが、最近では何と青いカーネーションもあるようですね!?

　花には花の「花言葉」がありますが、カーネーションの花言葉は「女性の愛」「感動」「感覚」「純粋な愛情」。ただカーネーションは色によって花言葉が違います。

　下の表はカーネーションを色ごとに花言葉を分類しました。人それぞれ好みがありますが、花言葉を知ってしまうとさすがに花を贈るときは慎重になってしまいますね。

花の色	花言葉
赤	「母の愛」「愛を信じる」「熱烈な愛」「哀れみ」
ピンク	「感謝」「上品・気品」「暖かい心」「美しい仕草」
黄色	「軽蔑」「美」「嫉妬」「愛情の揺らぎ」「友情」
紫	「誇り」「気品」
青	「永遠の幸福」
オレンジ	「純粋な愛」「あなたを熱愛します」「清らかな慕情」
白	「尊敬」「純潔の愛」「私の愛情は生きている」「愛の拒絶」
濃い赤	「私の心に哀しみを」「欲望」
絞り・複数の色	「私はあなたの奴隷になる」「愛の拒絶」

　余談ですが、5月11日に東京都内においてNPO法人日本マザーズ協会が主催する「ベストマザー賞」の授賞式が行われ、民進党の蓮舫代表が賞を授与しました。何でも2014年から同法人の特別顧問を務めている関係からだそうですが、これには世のママさん達から非難轟々となっているようです。さらに火に油を注いだのが、子育てについてスピーチを求められ、蓮舫さんがお答えになった内容。何でも蓮舫さん、子供たちには「ありがとうとごめんなさいが言えるよう」に教育されたそうです。

　蓮舫さんといえば、公私ともどもいろいろと問題を抱えていますね。御自身の国籍問題のみならず、（私は見ていないんですが）昨年の年末に放送されたバラエティ番組で旦那様をペット以下の扱いをしていることをテレビの前に晒し、視聴者に自らの底意地の悪さを見せつけ、バッシングさらにヒートアップしました。野党といえども政党のトップである人だから蓮舫さんはもう少し常識があると持ったのですがねえ・・・。

　翌日、自民党の菅官房長官の定例会見で、意地悪な記者が先日の蓮舫さんの発言について菅官房長官に質問しました。