今年もあとわずか、年末は両親の住む大分に帰省することにしている。盆・暮に九州に帰るのは結婚してからで、学生時代や独身時代は身内の葬式ぐらいしか帰らず、周りから親不孝者と陰口を叩かれていた。両親としっくりいってなかったこともあるが、実のところ、お金もかかるし、なんとなく面倒くさかった。都会のネオンも恋しかった。
しかし結婚してからは、嫁のこともあるのでそうもいかず、親孝行も兼ねてできるだけ帰省するようにしている。特に子供ができてからは、両親も孫可愛さか、この時期になると「いつ帰るの?」と電話で聞いてくる。
幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく 若山牧水
この歌は、若山牧水が早稲田大学の学生の頃、故郷宮崎に帰省する途中、現在の岡山県あたりに山中に一泊したときの作られたものだといわれている。九州に帰省するたび、新幹線の車窓からの景色を見ながら、若き日の希望に燃えていた頃を懐かしみ、しばし感傷にふけっている。
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