五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

‟善魔”がいる天国

 11月となり2023年も2月を切ってしまいました。最近は暑さもぶり返すこともがありますが、朝晩は結構冷えるようになりました。そろそろ冬支度をしなければと思い、箪笥の奥にしまった冬着を出してみたり、布団も押し入れにあったものを天日干しにして寒くなってから使おうと用意しています。

 先日、産経新聞を読んでいたら興味深い記事というかエッセイを見つけました。(文脈からして何方が書いたか予想は付きました)最近は新聞🗞やネット💻を見ても心を動かすことが皆無になっていたので、少し感銘を覚えました。

 

 芥川賞作家、遠藤周作さんはたびたび悪魔ならぬ「善魔」という言葉を用いた。特徴は「自分以外の世界をみとめないこと」と「他人を裁くこと」だと遠藤さんは述べている。「自分の愛や善意の感情におぼれ、眼がくらんで自己満足しているのだ」。日本社会では今、この善魔が跋扈してはいないか。  

 性的少数者らへの理解増進を図るLGBP法成立に始まり、心と体の性が一致しない経産省トランスジェンダーの女性に、職員女性用トイレ使用を制限するのは違憲だとし、さらに戸籍上の性別変更に、生殖不能手術を条件とする特例法条項を違憲とした一連の最高裁判決…。背景に国会議員や判事の善意があるのは事実だろう。

 だが、この急速な動きは意見や立場が異なる人々を置き去りにする結果となり、新たな対立と分断を生んだ。社会の変容に息苦しさを覚える者にとっては、「悪意のように見える不遜な善意もある」(哲学者、ニーチェ)のである。

 「当事者が警戒の目で見られ、差別が一層深まることも考えられる」。性適合手術を経て女性に性別変更した「特例法を守る会」の美山みどり代表は、最高裁判決に憤る。安心な場所を求める女性の権利と保護も阻害される。

 立憲民主党長妻昭政調会長は2日、最高裁判決を受けて特別法改正案の国会提出を検討する考えを明らかにした。国会は最高裁判決に対応せざるを得ないが、近年、司法は立法府に対して越権的ではないかとも感じる。

 社会学者、ウェーバーは善から善のみが生まれるもののではなく、しばしば逆になると喝破した。「これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である」。社会常識が善魔には通じないのがもどかしい。

                           産経新聞 2023年11月4日付 産経抄より引用

 

 「善魔」という言葉は知りませんでしたが、「なるほどなあ」と唸らせる言葉ではないか思ったのが、このエッセイを読んだ第一印象でした。「善魔」という言葉は遠藤周作さんが1991年に発表されたのエッセイ集の「生き上手 死に上手」の中で使われている言葉だそうで、遠藤さんの小説は何冊か読んではいましたが、残念ながらこのエッセー集の存在は知りませんでした。 

 

 

 産経抄の最後にあったマックス・ウェイバーの言葉は、ウェイバーの代表的な著作の1つである「職業としての政治」の中のものです。「職業としての政治」は同じくウェイバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」と並び、政治学を専攻する学生の必読の書といわれていただけに、法学部政治学科出身の私も学生の頃はこの本を読んだ覚えはありましたが、内容のほうは皆目覚えていませんでした。

 新聞記者の方は、このような古典の中から秀悦された言葉を探してくるあたりは、知的エリートとして‟流石“ですね。改めて感嘆しております。実は私も昔はそういった知的エリートに憧れていたのですがねぇ・・・。

 

 

 産経抄では件の「善魔」は性的少数者の問題に言及しています。性的少数者の問題に関する「善魔」は日本のみならず、世界のいたるところで出没しており、トラブルの火種になっているのが現状だと思います。例えば、自称‟女性”が女性用トイレに入ってきてトラブルになったり、自称‟女性”が女性のスポーツ競技に参加して好成績を残すなどなど。

 性的少数者に配慮してオールジェンダー・トイレ🚻を海外では推進しているようですが、男性はともかく性的少数者ではない女性はこれについてどう思っているのでしょうか?オールジェンダー・トイレが普及し、男女別のトイレが無くなったとして、ごつい顔をした筋骨隆々の男性と同じトイレで用を足す女性は恐怖を感じると思うのですが・・・。

 ひょっとして私の思い込みかもしれませんが、そもそも男女を問わずに異性がトイレにいることには不快感を感じるのではないのかなあ。小便器で「」をしているときに隣から女性に覗かれたら、余程の人ではない限りは不快感や羞恥心を感じるのではないでしょうか?さらに言えば、耳元で心ない言葉でも吐かれたとしたら・・・。

 女性にしても、個室に籠っているときに後ろの男性が待っていると思えば、恥ずかしさを感じるのが普通ではないかと思います。特にお腹を壊しているときなんか最悪ではないかと思うのですが・・・。それこそトイレを我慢して、膀胱炎になったりする女性が多発するのではないでしょうか?

 こうした性的少数者の問題以外にも「善魔」はいたるところに首を突っ込んで、周りを混乱させているようです。

 最近市街地にクマ🐻が出没して、住民が被害にあう事例が激増しています。クマが人里に出没する理由はいろいろと考えられますが、180名を越す被害者(うち5名が死亡)を出す惨状なのに、「クマが山から出てくる原因は人にあるのだから、殺すのは酷い」「駆除されたクマが可哀そう」との苦情を寄せられています。

 動物愛護の観点からわからこともないのですが、現に被害が多発し、犠牲者まで出て市民生活の悪影響を及ぼしている状況下で、それでもクマを擁護する人たちのことを私は理解することが出来ません。極端な比喩かもしれませんが、今巷でゴジラの映画が封切りになっていますが、現実の世界にゴジラが現れても、「ゴジラは人間の度重なる水爆実験によって巨大怪獣になったのだから、殺すのは酷い」となるのでしょうか?さすがにそんなことにはならないでしょう。

 太陽光発電についても、同じようなことが言えるのではないのでしょうか。「環境にやさしい」「CO2の排出量は0」とか地球温暖化に伴い、CO2削減に最も効果のある注目されている太陽光発電ですが、同時に多くの問題をはらんでいるのも事実で、太陽光発電の中のメガソーラーシステムには、大規模な敷地が必要で、スペースを確保するために森林伐採が進み、却って環境破壊につながっている懸念があります。

 様々な説があるので、一概に決めつけることはできませんが、森林破壊により植物の光合成が減少すると、CO2の吸収量が減り、逆にCO2の排出量が増加すると思います。これにより、地球温暖化が進み、加え森林破壊は森林が持つ保水効果を奪うので、地滑りや土砂崩れ、干ばつ、集中豪雨、洪水などの大規模な災害も起こりやすくなるのではないでしょうか?

 また先程のクマの例にも通じるかもしれませんが、森林破壊により、生態系の変化にも影響を及ぼすであろうことも考えられます。

 外国人についてもやはり「善魔」は口をはさむようですね。これは詳しく調べたわけではないので、誤りがあるかもしれませんが、「外国人が住みやすい街づくり」(?)というスローガンの下、司法や行政により不法滞在の外国人が日本人よりも利する状況となっています。

 外国人が国外で子供を産んだのに、日本で出産一時金が支給されてみたり、外国人登録をした中国人が46人分の生活保護を請求してみたり、覚せい剤を持ち込んだ外国人が無罪になったり、外国人による健康保険証の使い回しが発覚したりと、全国各地で外国人によるトラブルは続出しております。

 「善魔」の言い分としては、「在留資格のない人にも人権を・・・。」となるのですが、そもそも在留資格もないのに不法に日本国内に居座ることは犯罪ではないかと思うし、もし仮に日本人が同じことを海外でやった場合には即帰国となるのではないでしょうか。またそれを不当といって当該国に日本人が訴えたことなど、私の知る限りにおいてはありません。

 これらの問題について、共通しているのは行きつく先は「破滅」ということです。特に移民や不法滞在の外国人については、このブログでも再三警告していて、「欧州の二の舞になるな!!」と再三記述しています。一部の欧州諸国では移民による破壊活動や逆差別が横行し、一部の都市では機能がマヒしていると言われています。

 それは日本では遠い未来の事かもと危機意識はさほど感じられてはいませんでしたが、埼玉県の川口市蕨市でのクルド人の暴走や神奈川県の川崎市不法滞在の外国人の問題など、事態は深刻化しており、このままいけば数年で欧州と同様に一気に治安が崩壊していくような気がします。

 「善魔」は自分たちは「困っている人たちや苦しんでいる人たちを助けている」という一人よがりの思い込みのもと、最終的にはそれ以外の大多数の人たちを逆に苦しめている現実に気付いておらず、また「善魔」たちはそれに気付く意思もないと思います。

 ただね、一部の「善魔」は実はわかっていてやっているのではないかと思う時があります。これは陰謀論めいたものになるし、証拠もないので肯定するつもりはありませんが、仮にそうだとしたら、空恐ろしいことですね。そう思うと背筋がゾッとします。

 こうした「善魔」が跋扈してる状況には打開策はあるのかと言われると、薄学でしかも社会経験も薄い私には確固たるものはありません。だからといって手を拱いていれば、ますます現状は悪くなるだけでしょう。

 だから「胡散臭いもの奇麗ごとをならべているもの」には疑ってかかることが必要だし、また長期的な視点から物事をみたり、目先のものではなく物事を大局的にとらえることが大事だと思います。

 また周囲の意見や反応を気に留め、互いに理解し、自らの考えを一方的に押し付けるのではなく、妥協するところは妥協し、共感を得て物事を進めていくこと、つまり当たり前に行われていたことを当たり前に行うことを再度思い起こしてみることではないでしょうか。そうすることで「善から悪が生まれる」という悲劇を回避できるのではないかと、私は考えます。

 そのためにも正確な情報の収集は必要不可欠になりますが、最近では「エビデンスがないとダメですか?」と空恐ろしいことを言い放つマスメディアもありますね。エビデンス(証拠)もなしに、思い込みで報道すれば、それこそ風評被害のオンパレードで、収取のつかない暗黒な未来となってしまいます。

 ということで、偉そうなことを今回の記事で書き綴ってみましたが、「自分はどうなんだ」と言われると、それはそれで耳が痛いです。昔から人付き合いが苦手で、人の話を聞かないことで有名だった私、還暦を過ぎた年齢が拍車をかけ、「善魔」のように「自分以外の世界を認めない」「自分の軽蔑する」という姿勢は、自分では自覚していないものの、周りからはよく指摘されます。まさに「老害」といえるかもしれませんね。

 ただそう考えると、第二次大戦後の世界も‟老齢化”してるかもしれませんね。そうなると世界がこの老齢化に対応するか、もしくは第二次大戦後の世界で培われた価値というもの一度リセットし、新たな社会構造へ変化するかの極限の選択を迫られているのではないでしょうか。

 



参照:産経新聞 2023年11月4日付 産経抄

   産経ニュース

    2021年7月4日 LGBT法案で残念な稲田朋美氏 

            産経新聞政治部編集委員論説委員 阿比留瑠比

    2023年4月25日 今村裕の一筆両断 「SDGs」と「善魔」

   環境省 クマ類による人身被害について

  Wikipedia ゴジラ(架空の怪獣)、太陽光発電

写真:無料写真素材 写真AC 不気味で怪しい満月 アディ

 

お恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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