五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

羽衣伝説

 3連休の最終日の今日、昨日までの雨と寒さが嘘のように晴れて暖かかった。最近は子供たちをどこにも連れっていなかったので、通勤途中のラジオでよく宣伝されていた静岡市清水区三保の東海大学海洋科学博物館自然史博物館、ついでにその近くにある三保の松原に行ってきた。

 海洋科学博物館はちょっと小さめの水族館という感じで、高さ6メートルの水槽に巨大なサメやエイが勇壮に泳いでる姿は圧巻であった。また日本でいちばん深い駿河湾に住んでいる深海生物の展示をやっており、地震の使者と呼ばれるリュウグウノツカイの標本があった。リュウグウノツカイが体長5メートル以上もあるとは思わなかった。その他にも神秘的なミズクラゲや観賞用の熱帯魚で有名なクマノミなど可愛らしいものもあった。自然史博物館は主に恐竜の骨を実物大で展示しており、子供たちはその大きさに圧倒されていた。

 博物館の近くで遅めの昼食をとり、三保の松原に向かった。三保の松原静岡市清水区三保半島にあり、約7㌔に5万本の松が生い茂る白砂青松景勝地である。今日は天候も良く、空も澄み切っていたので、駿河湾を挟んで望む富士山の景色はまさに絶景だった。子供たちは風景そっちのけで波打ち際まで降り、寄せては引く波に向かって無邪気に石を投げて遊んでいた。娘に至ってはこの寒い中、靴下を脱ぎ裸足で砂浜を駆け回っていた。さて三保の松原と言えば羽衣伝説で有名で、天女が舞い降りたとされる樹齢600年余りの「羽衣の松」というものもある。この羽衣伝説、私が九州の田舎で聞いたものと三保の松原のものとは内容が異なる。九州で聞いたものは、天女は羽衣を隠した男と夫婦になるが、男がひょんな事で天女に羽衣の在り処を話してしまい、天女が羽衣を見つけ天に帰っていくものだった。しかし三保のものは、天女が羽衣を返してくれと嘆願するが、男は天上の舞を踊ったら返すといい、天女はそれを聞き入れ舞を踊り、天に帰っていくものだった。

 羽衣伝説は日本各地に説話として伝承されており、羽衣を隠されて地上に残るのは西日本で多くみられるようだ。春まだ浅き晴れた日、富士を望む駿河路、白砂青松の美しい海岸で美女とひと時の淡いランデブーを過ごせたらなあとあり得ない妄想に浸る自分がいた。

f:id:Kitajskaya:20140913232854j:plain 羽衣の松

海洋科学博物館と自然史博物館は
http://www.muse-tokai.jp/ (東海大学社会教育センター)
三保の松原
http://www.shizuoka-cvb.or.jp/tour_guide/jp/maps/miho.php