久しぶりに政治ネタの記事を書いてみます。先月末、衆議院は解散され、10月22日投開票の衆議院選挙戦が事実上スタートしました。今回の選挙で注目されるのはやはり小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」でしょうね。解散前の9月27日、都内で記者会見した小池知事は「しがらみのない政治、大胆な改革を築いていく新しい政治のために、日本をリセットするために党を立ち上げる」と宣言しました。それに呼応するかのごとく、先ほど民進党を離党した静岡5区選出の細野豪志元環境大臣や「日本のこころ」を離党した中山恭子参議院議員らが「希望の党」に参加を表明。さらには先日の民進党の代表選挙で代表に就任された前原誠司元外務大臣も、前原さん1人を残し全員が離党し「希望の党」に合流するという仰天プランを決定しています。
私は保守的な考えを持ち、いわゆる“ネトウヨ”と呼ばれる人と考え方がほぼ一緒ですが、いくら「安倍政権打倒」「政権交代実現」を“錦の御旗”にしているとはいえ、さすがにこの前原さんの事実上の“民進党解党宣言”にはぶったまげました。とともに自らの境遇を“まな板の鯉”状態にされた民進党の議員さんに同情いたします。そもそも政治信条が180度も異なる政党と一緒になってうまくいくのか?また自らの政治姿勢をころっと変えたのでのであれば、どう見ても選挙目当ての“変節漢”だと非難轟々でしょうね。まああれだけ“憲法改正反対、安保関連法阻止”を声高に叫んでいたのだからそういう人はいないとは思いますが・・・・。
そう思っていたら先日、枝野元官房長官らが新たに「立憲民主党」を結成し、「希望の党」に合流しないリベラルな民進党の前衆議院議員を結集するそうです。ただ野田元総理や岡田前代表は「立憲民主党」には参加しない模様です。これで民進党は無所属、「希望の党」合流、「立憲民主党」、参議院と4つに分裂、無責任な意見ですが私の感想としては民進党のまま選挙を戦った方が、互いに遺恨を残さずに良かったのではないでしょうかねえ?
さて話題の「希望の党」ですが、12年前の2005年にも存在したことはご存知でしょうか?ただこれは映像での話で、総務省と財団法人「明るい選挙推進協会」の依頼により、平成ガメラ3部作や『デスノート』シリーズなどで知られる金子修介監督によって制作された「希望の党☆」で今話題の木下ほうかさんや渋谷飛鳥が主演しています。日刊ゲンダイの記事からです。
「今、映画撮影のため中国に来ているんですけど、日本のニュースを見てビックリしました。12年前に僕が作ったショートムービーを日本の政界が後追いしてるみたいなんだもの」
こう言うのは「ガメラ」シリーズや「デスノート」などで知られ、最新作「リンキング・ラブ」の公開を控えている映画監督の金子修介氏だ。
前述のショートムービーとは、総務省と財団法人「明るい選挙推進協会」の依頼で金子監督が作った20分間の短編映画「希望の党☆」のこと。物語はこうだ。
主人公はごく平凡なサラリーマン。翌日に国政選挙を控え、“大事な選挙だから”と娘から投票を勧められるが、どうせ誰に投票しても世の中変わらないと棄権してしまう。
ところが、選挙の結果、過半数を獲得して政権を握ったのが「希望の党」なる政党。誰も注目していなかったのに、若者世代の圧倒的な支持を得て、次々と斬新な改革に着手していく。動物虐待に重罰、痴漢は死刑。3年間、選挙に行かなかった国民からは選挙権を剥奪、その代わり、選挙権を高校生にまで引き下げる……。「冤罪というリスクを冒しても犯罪者を許さない」と勇ましい党首に熱狂していた国民だが、次第にエスカレート。ある日、徴兵令が敷かれ、娘も戦場に……。
「政治に無関心だとこうなりますよ。みんなで選挙に行きましょう」というメッセージが込められた作品だが、まさに今の日本の状況にそっくり。
「12年前は『戦争反対! 日本は戦争しないって決めたんだ』という父親の絶叫も不偏不党のセリフとしてごく当たり前に使われていましたし、ムービーを見た官僚も笑って喜んでいましたが、今や“戦争反対”は“反日”のレッテルを貼られかねない時代ですからね」(金子監督)
「原発ゼロ」「女性の活躍」など、口当たりのいいスローガンを並べながら「憲法改正」を盛り込み、自民より右といわれる小池百合子都知事。党首を務める「希望の党」の出現は偶然とはいえ、まさに12年前に金子監督が危惧したファシズム社会の予兆ともいえる。
「動画の趣旨を理解し、選挙を棄権しないこと。それがオトナの第一の役目だと思います」(金子監督)
悪夢が現実にならないことを祈るばかりだ。
あれあれ日刊ゲンダイって小池さんを前に擁護していなかったっけ!? この動画は明るい選挙推進協会ウェブサイトでの公開はすでに終了してますが、金子監督名義でYouTubeに2012年に再公開され鑑賞することができます。というかできました。というのも、やはり選挙前ということで、残念ながら「ユーチューブ」から消されていました。当然といえば当然ですが・・・・。
公益財団法人「明るい選挙推進協会」と総務省が共同製作した投票啓発動画「希望の党☆」が5日までに、動画投稿サイト「ユーチューブ」から削除された。小池百合子東京都知事が立ち上げた新党と同じ名称のため、ネット上で注目されたが、公正な選挙を啓発している協会が、特定政党への見解を表明したと誤解される可能性があるとして削除を求めていた。
動画は「ガメラ」シリーズなどで知られる金子修介さんが監督。小池氏の新党と同じ名前の架空の政党が政権を奪取し、世の中が変容する様子を描いている。協会が平成17年に公開し、いったん終了したが、24年に金子さんが投稿していた。
今年9月25日の新党名公表後にネット上で話題となり、動画へのアクセス数が急増。協会は同29日に削除を求め、10月5日未明に、ユーチューブ側から削除したとの連絡があったという。
日刊ゲンダイの他にも毎日新聞もこの動画の件を報道しています。ただ私の下種の勘繰りかもしれませんが、小池都知事が「希望の党」の結党の記者会見をされたのが先週の9月25日でそれと時を同じくとしてこの動画の件が出てくるとは、何か意図的なものを感じてしまうのですが・・・!? 当の小池さんはこの動画のことを御存知だったのでしょうか?もし承知の上で新党の名称を付けられたならそれはそれで凄いことだと思いますね。
動画では選挙に行かなければ、ナチスみたいな政権が跋扈し、日本は戦争に巻き込まれるよ!と警告を発しているようですが、私としてはもし選挙に行ったとしても投票するに当たり、国民としての政治意識というかしっかりとした考えを持っていないととんでもないことが起きると思います。というのもこういうことがあったからです。
これは今から3年前の選挙での出来事ですが、もしこの「支持政党なし」という政党がまた選挙に立候補して、かなりの得票を得たら、そして突然豹変したらどうなるのか?こちらの方が怖いと思います。
衆議院選挙は明後日に公示され約2週間の選挙戦が始まります。「選挙に行くのがめんどくさい」「政治に興味がない」「せっかくの日曜日、時間が潰されるのがもったいない」「自分が1票入れても何も変わらない」・・・。選挙に行かない理由はいろいろあると思いますが、それでも選挙には行った方がいい。1票だけでは確かに変わらないかもしれませんが、それが積もり積もっていけばかなりの政治的なパワーになります。
現在の若者は高齢者層に比べこれからますます厳しい未来が予想されます。前回の衆議院選の投票率は20代の若者で32%だったと聞きます。投票率が低いとその世代のための政策は反映されなくなるし、第一政治家自体の意識も若者を蔑ろにするように思えてきます。だから「自分が1票入れても何も変わらない」と言わずに「自分の1票で政治を変える」意気込みで投票場に向かいましょうね!若者の皆様!!
追記:この記事は10月の初旬に推敲し始めましたが、動画自体が消去されたため当初の方向性と違った方へ行ってしまい支離滅裂な文章になってしまいました。どうもすいません。
おまけ:金子修介監督の映画作品です。
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参照:Wikipedia 金子修介、希望の党、小池百合子、都民ファーストの会
しがらみ抱えてどこへ向かうのか 阿比留瑠比
2017年10月6日 投票啓発動画「希望の党☆」削除
日刊ゲンダイ 2017年9月28日付 短編映画「希望の党☆」は悪夢の予言?
イラスト:無料イラストAC 選挙ポスター acworks
お恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
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