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五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

丸子宿ととろろ汁

まち歩き・旅行

 昨日は息子の中学校進学の準備のための備品を購入する目的で静岡の松坂屋百貨店へ行きました。出かけたのがちょうどお昼時なので、ついでにお昼を外で食べようということで、以前から行きたかった「丁子屋」で名物のとろろ汁を家族4人で食べてきました。

f:id:Kitajskaya:20150207231717j:plain 丁子屋

 「丁子屋」は、とろろ汁の老舗で創業は何と1596年(慶長元年)だそうで(!?)、江戸時代の浮世絵師である安藤広重の「東海道五十三次 丸子宿」にも描かれています。丸子宿(まりこしゅく、まりこじゅく)は鞠子宿とも言われています。歴史は古く、源頼朝が、奥州平定の功績により、地元駿河の国の手越平太家継という武士にこの付近一帯を与えて駅家を設けたのが始まりとされています。江戸時代になり東海道が整備されると、丸子宿は東海道五十三次の20番目の宿場となります。丸子宿は当時の東海道の宿場の中で最も小さい宿場でした。

 「梅若菜丸子の宿のとろろ汁」と松尾芭蕉が詠み、また十返舎一九の「東海道中膝栗毛」に丸子の名物としてとろろ汁の話が出てくるように、丸子宿の名物は「とろろ汁」でした。「丁子屋」の茅葺き屋根の趣のある佇まいは、広重の浮世絵の世界にタイムスリップしたような感覚がします。(ちょっとオーバーかも?)

 「丁子屋」の玄関前に十返舎一九の碑が建てられています。碑には「けんかする 夫婦は口を とがらせて 鳶とろろに すべりこそすれ」と記されています。物語では、丸子宿で名物のとろろ汁を食べようと店に入った弥次さん・北さんですが、途中で夫婦喧嘩に巻き込まれ、とろろ汁をこぼしてしまい、結局食べずじまいに終わっています。またこの碑の前に“芸術は爆発だ”で知られる芸術家の岡本太郎の母親で作家の岡本かな子の碑もありました。以前「丁子屋」を訪れ、その時の印象を自身の作品である「東海道五十三次」で取り上げてくれたことに感謝の意を込めて最近建立されたそうです。

f:id:Kitajskaya:20150207232604j:plain 十返舎一九の碑

 昔から丸子地区はとろろ汁の原料である‘自然薯’の栽培が盛んで、室町時代連歌師で丸子宿の近くの吐月峰柴屋寺に庵を結んだ柴屋軒宗長(さいおくけんそうちょう)は「年の暮れ茶炭薪と山の芋 ねてのよるよるむつ事にして」と丸子の自然薯の美味しさを讃えています。宿場の茶店として創業した「丁子屋」、とろろ汁が名物になったのは、自然薯が取れる時期に、旅人にとろろ汁を出したことが始まりだとか、丸子宿と次の岡部宿のあいだにある「宇津ノ谷峠」は難所としても知られており、峠越えをする前に精を付ける意味もあったのではないかとも言われています。

f:id:Kitajskaya:20150208171530j:plain 広重の「東海道五十三次

 「丁子屋」の自然薯は土づくりや栽培方法にもこだわっており、丁寧に作られた自然薯をすりおろしたとろろ汁に自家製の味噌と鰹出汁で作った味噌汁を合わせ、最後に厳選された卵を加えて、「丁子屋」のとろろ汁ができるそうです。早速、とろろ汁の定食を食べました。嫁が一番安い丸子定食を、私と娘が次に安い本陣定食を頼みました。ただ息子はとろろが苦手なので、刺身定食を頼みました。(こいつの好き嫌いの多さには苦労しています。)娘は刺身がついている駿河定食を頼みたかったのですが、さすがに値段が張るので、本陣で我慢しろと私に言われたのが気に入らなかったのか、終始ご機嫌斜めでした。食べ物の恨みは怖いですね・・・。丸子定食はとろろ汁と香の物、味噌汁だけですが、本陣定食から小鉢が付いています。

 私は味音痴で、しかも文章の表現力が乏しいので、料理の内容とか味について詳しい説明はできませんが、思ったことを書いてみますね。やはりメインのとろろ汁は美味しかったです。普段家庭で掏る自然薯と比べ、各段に粘り気が強く濃厚且つ芳醇な味がします。薬味に葱がついてきて、お好みで醤油と山葵塩をかけます。ご飯はお櫃に入ってきますが、お替りは自由とのことです。ご飯は麦飯と普通のご飯とを選択できます。とろろ汁は思ったよりは量がありました。だからご飯を何杯もお替りができ、うちのような育ち盛りの子供がいる家庭にはお得ですね。とろろ汁が冷たくのもなく、温くもないほどよい状態で出てきます。食べる人の気持ちを考えた配膳、おもてなしをわかっているなと感動しました。さすがに400年以上も続く老舗ですね。

 本陣の小鉢に「おかべ揚げ」がありましたが、これ自然薯と豆腐の揚げ物で、塩を付けて食べるそうです。これもあっさりとして美味しかったです。あと味噌汁の中に畳鰯が入っていましたが、私の生まれ育ったところにはこのような習慣がないので、ちょっと驚きでした。甘味に味噌饅頭が出ましたが、甘すぎずのいい塩梅で、お口直しには最適だと思います。

 「丁子屋」は一番安い丸子定食でも1400円とかなり値段は張りますが、お値段分の価値はあります。ちょっとお金が入ったときとか、自分にご褒美を与えたいときなんかにここで食事をするのもいいかもしれません。そういえば若い女性が結構見えてました。自分にご褒美をあげているのかな?

 食事処の反対側は歴史資料館になっていて、江戸時代の旅に使われていた小物や芭蕉や一九、広重にまつわる版画や掛け軸などが展示されています。私は建物の写真を撮るのに夢中で、展示品を鑑賞できませんでしたが、食事をした後に江戸時代の風情に触れるのも粋なことだと思います。

 「丁子屋」さんはホームページも出していました。

 「丁子屋」さんを詳しく知りたい方は、こちらにアクセスしてみてください。

とろろ汁の『元祖 丁子屋』

 以前のブログ記事に丸子の次の宿場町、岡部のことを書きました。よろしかったらご覧になってください。

宇津ノ谷峠 - 五つの池の喫茶店

岡部宿のひなまつり - 五つの池の喫茶店

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