五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

ウルトラマン生誕50周年 ~その1

  7月に入りました。私の住んでいる藤枝市は昨日の朝は激しい雨が降っていて、静岡市草薙球場で予定されていた夏の甲子園大会静岡県予選の開会式が中止となりました。その結果、本日、自分の通っている高校の試合の応援に行く予定だった娘は、試合が中止になりホッとしているようです。(娘は野球には全く興味がないようです。)娘の通っている高校の野球部は例年3回戦くらいまでは行くそうですが、静岡高校、常葉菊川常葉橘掛川西といった強豪校の壁に阻まれてそれから先にはいけないようです。ただ80年の富士高校、81年の浜松西高校さらには95年の韮山高校といった公立かつ野球では無名といってもいい学校も甲子園の切符を手にしたケースもあるので、可能性は0ではありません。娘の高校の球児たちにも栄光を目指して頑張ってもらいたいものです。

 

7月10日はウルトラマンの日

 さて話題はがらっと変わりますが、今日7月10日はウルトラマンが放映されて50年になります。1966年7月10日、ウルトラマンの本放送を前に東京・杉並公会堂で番組PRイベント『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』が公開録画中継で放送されました。このイベント、撮影スケジュールの遅れのため当時のTBSプロデューサーの栫井巍(かこい たかし)さんが時間稼ぎのためにとった苦肉の策だったとされていますが、当日は制作会社の円谷プロ社長の円谷英二さんをはじめ出演者やお笑いグループ“ナンセンストリオ”、更にはウルトラマンや怪獣(ガラモン、カネゴン、M1号、バルタン星人、アントラーレッドキング、チャンドラー)が登場し大盛況を博しました。ちなみに視聴率は30.6%を記録したとか。ウルトラマンがお茶の間のテレビに初めて登場した7月10日は「ウルトラマンの日」として日本記念日協会に登録されています。

f:id:Kitajskaya:20160710225605j:plain レッドキング

 

ウルトラマン誕生秘話

 ウルトラマンは1966年7月から翌67年4月まで全39回、平均視聴率36.7%、最高視聴率42.8%(第37話 小さな英雄)、初回の再放送でも平均視聴率が18%台を記録した超人気番組でしたが、一番最初の企画段階では正義の怪獣「ベムラー」を主人公に、怪事件を専門に扱う専門チーム「科学特捜隊」と協力しつつ、怪事件を解決していくという設定でした。ベムラー烏天狗のような容姿をし、嘴や羽を持ったデザインが考えられていました。しかし「主人公が怪獣では具合が悪い」、「敵怪獣との区別がつきにくい」という意見が多数を占め、この企画は没になります。企画は没になりましたが、ベムラーという名前は第1回に登場する怪獣の名前になりました。

f:id:Kitajskaya:20160710225759j:plain ベムラー

 次に考え出された企画が主人公を「宇宙人」とした「科学特捜隊レッドマン」。このデザインを手がけたのがのちに「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」で美術監督となった成田亨(なりた とおる)さん。当時円谷プロで脚本を手掛けていた金城哲夫さんから「いまだかつてない格好のいい美しい宇宙人」をと注文をつけられ、試行錯誤の末に今のデザインが完成したそうです。ちなみにウルトラマンの最終決定のデザイン画は残っていません。これは平面画でのイメージに苦しんだ成田さんが平面でのデザインを諦め、粘土細工に直接手を入れながら造形を完成させたためです。

 

ウルトラマンの活動時間は3分ではなかった!?

 ウルトラマンといってまず思い浮かべるのは「活動時間が3分間」ではないでしょうか?しかし「ウルトラマン」の劇中において活動時間が3分間と言及されていません。ウルトラマンが劇中に登場した時間を活動時間として検証してみたところ活動時間は1分台から6分台までかなりばらつきがあったそうです。実はウルトラマンのエネルギーは3分間しかもたない」と初めて明言されたのは、意外なことに第2期ウルトラシリーズの『帰ってきたウルトラマン』になってからの事でした。

 では何故ウルトラマンの活動時間が3分間になったのでしょうか?ウルトラマンを放映したTBS番組宣伝課が当時発行した「ウルトラマンあらすじ集」には

 ウルトラマンの持続時間は胸に点滅するカラータイマーの色と警告音が示す。最初は青色で3分間、途中黄色に変わった時が注意信号で、赤色になるとあと30秒で全ての力を失う危険信号になっている。

と記述されています。この設定を企画者として円谷プロと関わっていた大伴昌司さんが『少年マガジン』誌上で簡略化したうえで改めて「3分間」と紹介し、それを円谷プロが後から公認したことからウルトラマンの活動時間は「3分間」となったとされています。(大伴さんは宇宙恐竜ゼットンが放つ火の球の温度を1兆度(!?)と設定しています。温度が1兆度、それって地球が燃え尽きない!?)

 ウルトラマンの活動時間を3分間にしたかについて、ウルトラシリーズで監督や演出を手掛けた満田かずほ(みつだ かずほ)さんは、「予算を大量に浪費する特撮・格闘シーンを30分番組の1割に当たる3分間に収めるという約束事がなされたため。」と当時の様子を語っています。また当時人気があったキックボクシングの1ラウンドの時間やプロ野球読売巨人軍のスーパースター“長嶋茂雄”選手の背番号「3」に肖ったとも言われています。

 さらに言えば、ウルトラマンが完全無欠のヒーローでありすぎると話に面白みが欠けるので、子供たちにも判りやすいようにウルトラマンにも弱点を作ることが目的で、カラータイマーとウルトラマンに変身する時間の制限が導入されたとも、いずれにせよカラータイマーはウルトラシリーズに欠かすことがないデザインとなり、以後のシリーズに継承されていきました。

 ただデザインを担当した成田さんは自らがデザインした段階では存在せず、後から追加されたこのカラータイマーを非常に嫌っていたとされています。そのためでしょうか、成田さんが作成したウルトラマンの絵画や塑像にはカラータイマーをつけていないことも多くあるそうです。成田さんは「後から付けられるような事があるのであれば、最初から付けておいたほうがいい」という考えで、次作『ウルトラセブン』をデザインする際に、カラータイマーを止めて、ウルトラセブンの額に点滅するビームランプを設定しました。

 

魅力ある怪獣たち

 ウルトラマンの魅力の1つに怪獣も挙げられると思います。ウルトラマンには、バルタン星人、アントラーレッドキングピグモンザラブ星人ペスタージャミラゴモラメフィラス星人ジェロニモンゼットンといった個性的な怪獣が登場します。数々の怪獣、その名前の由来も結構面白いものがありました。

 ネットの「怪獣wiki特撮大百科辞典 ウルトラマン 登場キャラの名前の由来」からウルトラマンに登場した主な怪獣の名前の由来を見てみます。

 ベムラー・・・ウルトラマンの原題「科学特捜隊ベムラー」から

 バルタン星人・・・ヨーロッパの火薬庫といわれたバルカン半島から

 ネロンガ・・・ローマ皇帝で暴君として知られたネロより

 アントラー・・・蟻地獄(Antlion)より

 レッドキング・・・当初赤い怪獣として仕上がっていた時のモノ

 ピグモン・・・Pygmy Monster(矮小な怪物)より

 ペスター・・・Petrolium (石油)+Starfish(ヒトデ)より

 ブルトン・・・仏のシュールレアリズムの詩人アンドレ・ブルトンより

 ザラブ星人・・・Brother(ブラザー)を逆さに読んだ

 ヒドラ・・・ギリシャ神話の大蛇ハイドラから

 テレスドン・・・地底を意味する仏語「テレストロイタス」より

 ジャミラ・・・アルジェリア内戦で被害に遭った少女の名前より

 ギガス・・・ギリシャ神話の巨人ギガンテから

 ドラコ・・・Dragonfly(トンボ)より

 ゴモラ・・・旧約聖書に出る神の怒りで滅びた都市ソドムとゴモラより

 ダダ・・・1910年代の前衛美術運動「ダダイズム」より

 メフィラス星人・・・ゲーテの「ファウスト」に登場する悪魔メフィストフェレス

  ジェロニモン・・・アパッチ族の酋長ジェロニモより

 ゼットン・・・アルファベットの最後“Z”+五十音の最後“

  ウルトラマンに登場する怪獣の中でも抜群の人気を誇る怪獣の1つにバルタン星人がありますが、このバルタン星人を生み出したのは80年代に一大ブームを巻き起こした「金曜日の妻たちへ」を演出・プロデュースし、ドラマのTBSの一翼を担った飯島敏弘(いいじま としひろ)さん。飯島さんはウルトラシリーズの創成期から脚本を手がけ、ウルトラマンでは全39話中7本で監督を務めています。バルタン星人の名前の由来は上記にあげましたが、一部に当時人気だった仏の女性歌手「シルヴィ・バルタン」から取ったという説もありました。しかしこれは前述した金城哲夫さんの勘違いだったようです。ちなみにシルヴィ・バルタン本人はバルタン星人のことを知っているようです。そうだとすれば自分の名前に似ていることを怒んないのかな!?

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                         左よりゼットン、バルタン星人

 

とにかくお金と時間がなかった!!

 放映開始から子供たちを中心に絶大な人気を誇ったウルトラマンですが、番組の制作は苦労の連続だったそうです。巨大な宇宙人を主人公とする特撮ドラマは世界にも例がなく、制作には莫大な費用が掛かりました。またスケジュールも逼迫し、週1回の放送にぎりぎり間に合わせるという綱渡り的な状態が続いていました。そのためウルトラマンに登場する怪獣は以前登場した怪獣を改造したケースが少なくありません。具体的な例を挙げると

ウルトラQ作品からの改造 

 ペギラ → チャンドラー  ガラモン → ピグモン

 ピーター → ゲスラ   ケムール人 →ゼットン星人

東宝の特撮映画より改造

 ゴジラジラース

ウルトラマン作品からの改造

 ベムラーギャンゴ   ラゴン → ザラブ星人

 レッドキングアボラスレッドキング(2代目)

 ヒドラ → ギガス    ゴモラザラガス 

 またこれは怪獣の鳴き声(?)も以前作られたものが使用されました。有名な所では先述したバルタン星人、この怪獣が叫ぶ「フォッフォッフォッフォッ・・・」という声、オリジナルだと思っていましたが、実はこれ円谷英二氏が特技監督を務めた東宝の特撮映画「マタンゴ」に登場するキノコの人間「マタンゴ」の声が再使用されました。同じく東宝映画の「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」に登場したバラゴンの声をネロンガ、ラゴン、アボラスの声が使われています。東宝特撮映画はそれだけに留まらず、メカニックも同様で、科学特捜隊の主力戦闘機「ジェットビートル」は「妖星ゴラス」に登場した「国連VTOL機」から流用されています。

f:id:Kitajskaya:20160710230430j:plain ゴモラ 

 

最後に

 と、ここまで記述しましたが、ウルトラマンについては思い入れが強くて、まだまだ書き足りません。おそらくあと3000字以上書くことがあります。ですので、ひとまずここで筆を止め、来週以降に次回作を投稿したいと思っています。

 

追記:ウルトラマンに出てきた怪獣のフィギアを写真にとってところどころにワンポイントで挿入してみました。

 

過去の記事から

過去に記述したウルトラマン関連の記事です。

kitajskaya.hatenablog.com

d.hatena.ne.jp

 

ウルトラマン関連グッズ紹介

 

ウルトラマン大図鑑デラックス

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ウルトラマン1966+ ‐Special Edition‐

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ウルトラマン Blu-ray BOX I

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ウルトラマン Blu-ray BOX II

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ULTRA-ACT ウルトラマン

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おまけの音楽

 言わずと知れたウルトラマンのオープニングソングです!!


ウルトラマン OP

シルヴィ・バルタンレナウンのCMソングを歌っています。懐かしい!!


レナウン CM 1965年 シルヴィ・バルタン Sylvie Vartan 「ワンサカ娘」篇

 

 

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参照:Wikipedia ウルトラマン円谷プロダクション成田亨金城哲夫、飯島敏弘

   円谷ステーション―ウルトラマン円谷プロ公式サイト

            ウルトラマンの日in杉並公会堂

   ウルトラマン オフィシャル データ ファイル 

           トピックインフォメーション SERIES2 ウルトラマン

            防衛隊ファイル 科学特捜隊、ジェットビートル

   スポーツ報知 ウルトラマン特別号

   怪獣wiki特撮大百科辞典 ウルトラマン 登場キャラの名前の由来

   産経ニュース  2016年7月7日  

        フジ隊員とウルトラマン50年 桜井浩子が語るウルトラマンシリーズ

         7月10日はウルトラマンがテレビに登場して50年

写真:無料写真AC 七夕飾り acworks

 

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