工場勤務になってから20年近くになる。要領の悪さは相変わらずで、仕事も出来る方ではない。いわゆる‟お荷物”と言われるようなものだが、それでも環境に慣れれば、仕事ができないなりに処世術のようなものを身に着けることができ、今では何とか無難に生きている。この先どうなるかはわからないが、もう還暦に近いので、波風を起こさず、職務を全うできればと思っている。
この20年で家族を作ることが出来た。私の世代では普通の人より10年近く遅かった。ただ上の子が生まれて1年もたたずに転勤になったせいか、お互いの意見の相克もあってか、夫婦仲は微妙となった。その影響もあってか、下の子はちょっと難しい性格になってしまったことは否めない。それでも10年近い歳月は係ったが、修復することが出来、今では家庭崩壊することなく、子供たちも揃って大学に進学した。安月給のためにマイホームを購入する夢は潰えたが、何とか平穏無事に過ごしている。
もう何年も、いや何十年も同じ夢を見ている。毎晩とかではなく、思い出したかのように不定期にその夢を見る。なんとなくだが自分が苦境に立たされているときにその夢を見ることが多い。シチュエーションは微妙に違うが、舞台は私が高校生の頃で、登場人物もほぼ同じ。内容もとるにつまらない学園生活の一コマという感じである。最も高校生活が華やかだった訳ではなく、むしろ逆で今以上に暗い日々を送っていた。
この夢を見るようになったのは、いつだったか?おそらく工場勤務となり、環境が一変し、20年近く住んだ東京から離れた時からのように思える。なぜこのような夢を見るようになったかは定かではない。夢判断とかではないが、おおよそ現実逃避の一種のように思う。
夢の中に出てくる自分はイケてる訳ではなく、昔さながらのダサい自分。夢ならばもう少し華やいだものであったほしいが、輝いていた時期がなかったので、仕方がないのかもしれない。でもこの夢の世界はとても居心地がいいのだ。そしてあの時、勇気がなくてできなかったことを夢の中では軽々とクリアしており、いつも新しい方向に一歩前進しかけようとしたときに必ずって言っていいほど目が覚める・・・。
ただ目覚めた時にいつも思うのは、ここはどこなのか?なぜ今ここにいるのか?すぐに現実に戻ってしまう。それほどこの夢はリアルすぎるもので、夢を見終わって思うのは、「果たして夢の中の自分が本当の自分で、現実の自分が実は夢ではないか」、‟胡蝶の夢”のように・・・。そしてまたあの夢の世界へ戻ることを希求する自分がいる。
ネットでウルトラマンマックスの第24話「胡蝶の夢」のことを見て、この記事を書いてみました。この作品の監督はウルトラシリーズで常連の実相寺昭雄さんで、私のようなコアなファンに大歓迎だったものの、2005年に放映された時は子供番組しては難解で、若いお父さん・お母さんたちにはあまり評判は良くなかったようです。
またこの作品では俳優の石橋蓮司さんがウルトラマンに変身しています。
写真:無料写真素材 写真AC ヒガンバナに止まるチョウ09 ぺて
お恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
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