五月雨闇 - 五つの池の喫茶店

　GWも終わり、気づけば5月も後半になっていました。静岡県内では連休明けは週の意中ごろまでは晴れ☀の天気が続きますが、週末になると雨模様☔の天気となっています。ご多分に漏れず、今週末も雨。しかもやや強い雨が降りました。何だか梅雨が来たような沈鬱な休日となりました。

　そんな鬱陶しい梅雨を思わせるような事件が最近の日本で多発しています。先日東京の銀座で高級時計店を襲撃し、腕時計など約3億円相当を奪ったとして、強盗と建造物侵入容疑で逮捕されたのは、高校生を含む19歳以下の少年たち4名でした。

　この事件、強盗に入ったのが夕暮れ時とはいえ、まだまだ明るい時間に10代の若者が東京銀座という日本を代表する繁華街で、しかも人混みがある中で堂々と犯行に及んだことにも驚きを禁じえませんでした。

　先月には現職の総理大臣である岸田文雄首相が選挙演説に駆け付けた和歌山市で無職の青年に鉄パイプ爆弾を投げつけられるという暗殺未遂事件が起きています。政治家の暗殺と言えば、昨年の7月に安倍晋三元総理が同じく選挙演説で駆け付けた奈良市で無職の青年に銃撃されて、命を落としています。

　昨年・今年と日本の総理大臣を狙ったテロリストなど、今まで60年近く生きた中で考えられない事態ですし、最近では都内を走る小田急線や京王線の電車🚃の中での無差別な刺傷事件や新幹線🚅内での殺傷事件、京都アニメーションや津久井やまゆり園など公共施設での大量殺人事件も多発しており、どうしても私たちの住む日本という国の治安の悪化を感じざるを得ません。

　ただ犯罪件数を見てみると、2021年の刑法の犯罪認知件数はピーク時の2002年の5分の1以下となっており、14～19歳までの所謂刑法での少年犯罪の検挙率は2000年の約10分の1と大幅な減少となっています。また殺人や強盗、放火といった凶悪犯罪も5分の1程度となっており、「若者の犯罪離れ」といった傾向にあるようですし、戦後最も犯罪が少ない世代と言っても過言ではないようです。

　犯罪件数が減少して一昔に比べて治安がいいはずなのに、何でしょう？私には言葉に表すことが出来ない漠然たる不安や閉塞感があります。その正体は何なのか詳細は分かりません。ただ得体の知れない深い闇のようなものが背後でうごめいているような気がして仕方がないし、散々不安を煽っていたり、善意で近づき、それを隠れ蓑に裏で悪さを繰り返している、そんな気がします。

　静岡では今日も朝から雨☂が降っています。元来旧暦では梅雨の長雨を五月雨と呼んでいましたが、この時期、強い雨が降り続く宵闇は一層暗く感じます。これからの日本が深く暗い闇に吸い込まれないことを願うばかりです。