五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

「SFといえば」語るにいろいろありすぎて・・・。その③ジュニアSF

 つい4,5日前までは蒸し暑くエアコンが欠かせない毎日でしたが、いつの間にか寒くなり、今では長袖を着たり、朝晩は布団を1枚余計に被らなけれならないくらいに寒くなりました。月日はもう10月に入っています。早いもので、2022年もあと2か月を切ってしまいました。言い古されて申し訳ありませんが、月日が経つのは本当に早いものです。

 還暦まであと1か月余り、社員終了まで5か月となってしまいました。35年以上の会社員生活を振り返って、特に感慨深いものはありませんが、何とかここまでやってきたとの安堵感はあります。やり残したことは山ほどあるし、後悔を挙げたらキリがありませんが、何とか家族を壊すことがなく、子ども2人を大学🏫まで進学させることが出来たことは、世間から「そんなことは当たり前だ」と思われるかもしれませんが、自分としては「よく頑張った」なあと、社会人となってからの唯一の達成として満足しています。

 

◆◆◆この記事の目次◆◆◆ 

 

はじめに

 

今週のお題「SFといえば」 

  

 今回の記事は3か月前のお題で、実は過去2回記事にしていたものの、まだ書き足らず、そのままにしておいたお題「SFといえば」の3回目。これで最後になります。

 

kitajskaya.hatenablog.com

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新たな邂逅 ~ジュニアSFシリーズ~

 

 小学校の中学年頃に星新一さんのショート・ショートに出会ったことは以前の記事に書きましたが、当時はショート・ショートに飽き足らず、もっと本格的なものはないかと思っていたところ、しばらくして衝撃的なものを行きつけの本屋さんで見つけてしまいました。

 それは鶴書房盛光社から発行されていた全10巻からなるジュニアSFシリーズ。これは日本のSF作家の先駆者たちが青少年向けに書かれた珠玉の名作群であり、確か全10冊がハードカバーに収められており、当時のSF好きの青少年にとっては垂涎の的だったのではないかと思います。

 またこの頃、NHK少年ドラマシリーズも始まり、記念すべき第1作「タイムトラベラー」はこのジュニアSFシリーズの中の「時をかける少女」を原題としており(のちに「夕ばえ作戦」や「なぞの転校生」も少年ドラマシリーズでドラマ化されています。)、私の「欲しい、欲しい」願望に拍車をかけました。

 ジュニアSFシリーズの全10巻は以下の内容でした。矢野 徹光瀬 龍福島正実筒井康隆眉村 卓豊田有恒小松左京など、後に日本を代表するSF作家や大御所と呼ばれる錚々たる作家の方が筆を執っていたことに今更ながら驚かされます。

 

  1. 新世界遊撃隊 矢野 徹
  2. 夕ばえ作戦 光瀬 龍
  3. 黒の放射線 中尾 明
  4. リュイテン太陽 福島正実
  5. 時をかける少女 筒井康隆
  6. なぞの転校生 眉村 卓
  7. 時間砲計画 豊田有恒
  8. すばらしき超能力時代 北川幸比古
  9. 人類のあけぼの号 内田 庶
  10. 見えないものの影 小松左京

 

 ただ「欲しい、欲しい」と願っても、全10巻を揃えるにはかなりのお金💰が必要でした。当時は小遣いは貰った記憶はなく、お年玉を集めても手が届かなかったのではないかと思います。だから1巻ずつ購入して、全10巻を揃えようと思いました。

 

①新世界遊撃隊 ~矢野 徹~

 

 ジュニアSFシリーズで最初に買ったのは矢野 徹さんの「新世界遊撃隊」でした。矢野さんは「夏の扉」で有名なアメリカのSF作家ハインラインの翻訳を筆頭に著名な海外SFの翻訳家として知られており、後にアニメ映画化された「カムイの剣」の作者でもあります。

 

 

 新世界遊撃隊は様々な特殊能力を持つ少年少女たちが、空飛ぶ潜水艦「はやぶさ」の艦長の龍神三郎の元に組織され、世界平和のため、謎の組織「ファンタズマ」と戦う内容で、中にはお色気の場面もあって、SF好きの拗らせ系の思春期の男子の心を掴んだエンターテイメント性十分な冒険小説です。

 物語の中にA-26という航空機が出てきます。紹介文として、当時の航続飛行距離が世界一で、あのB-29を凌ぐ性能でしたが、戦時中に失踪したとありました。(曖昧な記憶ですが)私は最初、A-26は作者の矢野さんが想像上で作ったものだと今まで思っていたのですが、実際にA-26は存在し、1943年7月シンガポールからベルリンに向け飛行中に消息不明になったそうです。

 ちなみにA-26のAは朝日新聞の頭文字の「A」、26は皇紀2600年の26から取られたもので、あの朝日新聞が航空機開発に携わっていたことにはちょっと驚きでした。

 新世界遊撃隊が思っていた以上に面白かったので、続けて矢野さんの作品「地球0年」を読んでみました。この頃には多分私も中学校になっていたのではないかと思います。

 

 

 地球0年は1970年代のある日、米ソ中の三大核保有国が偶発的に第三次世界大戦に発展し、核により三大国はわずか40分で壊滅、世界の混乱による治安維持と住民の救済にため、日本の自衛隊アメリカを占領するというショッキングな内容で、東京が核爆弾により壊滅するシーンは衝撃的でした。

 ただこの小説は当時小学生高学年だった私にとってはちょっと難解で、しかもほとんど知らない大人の世界のことも書かれていて、何とか最後まで読み切ったという感じで、ワクワク感はあまり感じられず、最後はどうなったかは余りよくわかりませんでした。中学生になって部活とか始めることなって、少し忙しくなり、このころから少しずつSFの活字離れが始まってきたようです。

 

夕ばえ作戦 ~光瀬 龍~

 

 ジュニアSFシリーズで次に読んだのは、光瀬 龍さんの「夕ばえ作戦」でした。この頃はNHKの「少年ドラマシリーズ」でも夕ばえ作戦が放送されており、どちらが先かと思案しましたが、多分本を読んだ方が先ではないかと思います。

 

kitajskaya.hatenablog.com

 

  夕ばえ作戦は機械好きの中学生が小道具屋で怪しげな機械を購入しますが、実はそれはタイムマシンで、ひょんなことから江戸時代の荏原郡にタイムスリップし、代官と忍びの争いに巻き込まれるという内容でした。

 この作品は光瀬さんが目黒区にあった洗足学園第一高校で教師として生物と地学を教えたこともあって、目黒区や大田区目蒲線沿線の洗足大岡山といった地名が随所に出てきています。特に大岡山は東京にも岡山という地名があるのかと驚いたことを覚えています。

 

 

 夕映え作戦はコメディ的な要素やほんのりとした人情味のある作品でしたので、結構満足をしたと思います。それで光瀬さんの他の作品も読んでみようと思いました。ただこれが誤算となってしまいました。

 私が次に読んでみたのが「辺境5320年」というタイトルでした。ただこれは当時中学生くらいだった私にはかなり難解で、10ページくらいだったでしょうか、途中で投げ出してしまいました。

 ちなみに「辺境5320年」は光瀬さんが1960年代より手掛けた壮大なスペースオペラとも言われている「宇宙年代記」シリーズの中の一つで、文芸雑誌に掲載されたこともあり、大人向けの作品で、さすがに当時の中学生では理解できなかった内容ともいえるでしょう。

 

 

 ただこれ以降、中学生になったための環境の変化や少年ドラマシリーズでSFがドラマとして放映されたこともあって、SF小説を読むことがほとんどなくなりました。そのためかつてはあんなに欲しくてたまらなかったジュニアSFも僅か2冊を買っただけで、いつしか私の興味の対象から消えてしまいました。

おわりに

 

 3回にわたって、私の「SFといえば」を書いてきましたが、何ともまとまりのない形で終了してしまいました。3つの記事を書きながら気づいたのですが、私はSFに勧善懲悪的なものを求めていたのではないかなあと思います。今でも大人げなくヒーローもののドラマを恥ずかしげもなく見ていることで納得がいきます。そう考えれば、世間ではあまり性格のよろしくない御仁として見られている私も、実は平和主義者だったんだと、勝手に自認することにしています。

 

 

参照:Wikipedia 矢野徹光瀬龍、ジュニアSF、鶴書房ジュブナイル小説

      少年ドラマシリーズNHK、ジュニアSF、キ77(航空機)、夕ばえ作戦

写真:無料写真素材写真 写真AC 宇宙空間を飛行機 SFのイメージ1 mybears

 

お恥ずかしい文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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