五つの池の喫茶店

私が日々思っている事を徒然なるままに書き綴ってみました。興味のある方はお立ち寄りください。OCN CAFEに2004年9月から記載された日記をOCN Blog人に引き継ぎ、さらにこのHatenaBlogに移設いたしました。

今年もイグ・ノーベル賞の季節がやってきました。~ 今年も日本人が受賞、驚異の14年連続受賞達成!!

 9月もあと少しで終わります。最近では日が暮れるのも早くなって、秋の気配を感じます。この前の記事で 彼岸を過ぎても一向に涼しくなりませんと書きましたが、ようやく昼間でもエアコンを使うことが無くなりました。気象庁の長期予報によれば、今年の冬は「ラニーニャ現象」が発生してるため、去年のような暖冬にはならず、冬らしい冬が訪れるとのこと。冬は自分の部屋には暖房は入れませんが、寒がりに私にとっては今年の冬はちょっと苦痛になるかもしれません。

 

◆◆ この記事の目次 ◆◆ 

 

はじめに

  さて今年もイグノーベル賞の季節がやって来ました。私がこのイグノーベル賞に着目してから早6年になります。毎年のようにイグノーベル賞が発表になると、独自(?)の解説とともに記事を作成していますが、今年は世界的な新型コロナウイルスの蔓延のため、授賞式は行われるか危ぶまれていましたが、9月18日に今はやりのオンラインで授賞式が行われました。今年のテーマは「BUGS」、小さな昆虫や虫などを意味するほか、bugにはコンピュータ・バグとして用いられたり、動詞としてはイライラするとか、鬱陶しいという意味もあるそうです。

 

これは快挙!!14年連続日本人受賞 イグノーベル音響学賞に京都大学霊長類研究所の西村剛准教授が受賞

  さて、イグノーベル賞といえば、何かと話題になるのが、日本人の受賞ですが、今年も期待に違わずやってくれました!!イグノーベル音響学賞京都大学霊長類研究所西村剛准教授が受賞されました。今回の受賞は昨年、一昨年と違って日本人単独もしくは日本人チームだけの受賞ではなく、海外のメンバーとの共同受賞でしたが、それでも14年連続の快挙。最近ではお隣の中国に研究分野でも推され気味の日本ですが、今回の連続受賞で日本人の科学分野でも底力も捨てたものではないなあと改めて実感した次第です。

 産経新聞の記事からです。

  ユニークな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が17日、オンラインで開かれた。ワニの発声方法を研究する中で、ヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見した京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の西村剛准教授(45)らの国際研究チームが音響賞を受賞した。

 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は14年連続。西村准教授は「マニアックな研究にも着目してもらえたのは非常にありがたいことだ」と喜びを語った。

 研究は、中国原産の希少なワニ「ヨウスコウワニ」が入る水槽にヘリウムガスと酸素を充満させ、うなり声を録音。約400㌹の音声が倍の約800㌹と高くなったことから、人などの哺乳類と同じように声帯の上にある器官「声道」で空気を共鳴させて発声していることを突き止めた。

 西村准教授によると、ワニと分類上近い恐竜も同様の方法で発声していた可能性が高いという。研究チームは他にオーストリアや米国などの研究者で構成される。

 授賞式は例年、米東部ケンブリッジハーバード大で開かれていたが、今年は新型コロナウイルス流行を受けてオンライン開催となった。

 イグ・ノーベル賞は、ノーベル賞へのパロディーの意味合いも込めて米国の科学ユーモア雑誌が1991年に創設。今年は平和賞、物理学賞など10部門で授与された。

 

2020年9月19日付 産経新聞 社会面 ワニもヘリウムで声高く イグ・ノーベル賞に京大准教授ら より引用

 


ワニもヘリウム吸うと・・・日本人にイグ・ノーベル賞(2020年9月18日)

 

2020年イグノーベル賞受賞者一覧

 今年のイグノーベル賞の受賞者と国名、および受賞内容の一覧です。例年通りにWikipediaやネットにて情報を収集しましたが、今年は昨年と比べて受賞内容についての情報が今ひとつ不足してように思われます。

 

受賞名 受賞者 受賞内容
音響学賞 ステファン・レバー(スウェーデン)、西岡剛(日本・京都大学霊長類研究所)、ジュディス・ヤニッシュ、デカセム・フィッチ(オーストリア)、マーク・ロバートソン(アメリカ) ヨウスコウワニにヘリウムガスを吸わせても鳴き声が変化することについて
心理学賞 ミランダ・ジャコミン(カナダ)、ニコラス・ルール(アメリカ) ナルシストを眉毛で判断すること方法を考案したことについて
平和賞 インド政府とパキスタン政府の外交官(インド、パキスタン お互いの外交官が夜中にピンポンダッシュを繰り広げたことについて
物理学賞 イヴァン・マクシモフ、アンドリュー・ポトツキー(オーストラリア、ウクライナ、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、南アフリカ 生きているミミズに高周波を当て振動させると形がどうなるかについて
経済学賞 クリストファー・ワトキンス、ジュアン・デヴィッド・レオンゴメス、ジャンヌ・ボベット、アグニエスカ・ゼラズニヴィッツ、マックス・コーブマッハー、マルコ・アントニオ、コレア・ヴァレア、アナ・マリア・フェルナンデス、ダニール・ワグスタッフ、サムエラ・ボルガン(イギリス、ポーランド、フランス、ブラジル、チリ、コロンビア、オーストラリア、イタリア、ノルウェー 様々な国の国民所得格差とキスの平均の頻度の関連性を研究したことについて
経営学 奚广安、莫天祥、杨康生、杨广生、凌显四(中国) 中国の殺し屋が請け負った殺しを5次まで下請けに出したが、結局殺人は決行されなかったことについて
昆虫学賞 リチャード・ベッター(アメリカ) 昆虫学者の多くが、昆虫ではない蜘蛛を恐れていたという証拠を集めていたことについて
医学賞 ニエンケ・ヴュリンク(オランダ)、ダミアン・デニス(ベルギー) 長い間無視されてきた、他人が飲み食いする音を苦痛と感じる症状を「咀嚼音嫌悪症」と診断したことについて
医学教育学賞 ジャイール・ボルソナーロ(ブラジル)、ボリス・ジョンソン(イギリス)、ナレンドラ・モディ(インド)、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(メキシコ)、アレクサンドル・ルカシエンコ(ベラルーシ)、ドナルド・トランプアメリカ)、レジェップ・タイイップ・エルドアン(トルコ)、ウラジミール・プーチン(ロシア)、グルバングル・ベルディムハメドフ(トルクメニスタン 新型コロナウイルス感染症の大流行は、科学者や医師より各国首脳のほうが人の生死に即効性があることを世界に教えたことについて
材料工学賞 メーティン・エレン、ジェームス・ノリス(イギリス)、ミシェル・ベバー、アリッサ・ペローネ、アシュリー・ルトコスキ、メアリー・アン・ラガンティ(アメリカ) 凍結した人のウンコから作ったナイフは役に立たないことを実証したことについて

 

  今年も例年のようにイグ・ノーベル各賞について私なりのコメントしてみます。ただ私は科学とかの理科系の分野に相当疎いことと、受賞内容に関する情報があまり見つけ出せなかった事もあり、私がコメントする内容が本来の受賞の本質と異なっているかもしれません。その点は申し訳ございませんが、悪しからずご了承くださるようお願い申し上げます。 

 

イグノーベル音響学賞:ヨウスコウワニにヘリウムガスを吸わせても鳴き声が変化することについて

  ワニヘリウムガスを吸わせる?一体何のために?というのが今回の音響学賞についての第一印象でした。ヘリウムガスでの声の変化が面白おかしく取り沙汰されてはいますが、調べてみると今回の受賞に関しては、生物学的にすごい発見だったようで、今から5年前の日経新聞にも掲載されていました。

 概要は貼りつけたYOU TUBEの動画のニュースにもありますが、動物の鳴き声は蛙や蝉のように体の一部の器官を振動させる振動型と声帯のような器官で空気を共鳴する共鳴型に分かれるそうで、ワニのような爬虫類がそのどちらに区分されるかが分からなかったようです。

 ヘリウムガスで鳴き声が変化するのは共鳴型で、これは空気より比重が軽いヘリウムガスを使うと、音が伝わるスピードが空気の3倍近くになり、よって周波数の高い変な声になるそうで、これはドナルドダックボイス現象と呼ばれています。

 今回の実験で、ワニは声帯のような器官で空気を共鳴して鳴き声を出す共鳴型に分類されました。共鳴型の鳴き声を発するのは爬虫類以外には鳥類が知られていますが、今回の研究結果で、「進化の過程で鳥類と爬虫類の中間に位置する恐竜も共鳴型だと推測される」と西村さんは延べられています。ノーベル賞のパロディとは言え、時にはものすごい学術成果も明らかになることが、イグノーベル賞の面白さであり、ある意味でノーベル賞よりも奥が深いものがあるかもしれません。

 空気だけの時とヘリウムガスを吸わせた時の実際の鳴き声を動画で聴いてみましたが、初めて聴くワニの鳴き声、ワニってああいう風に泣くんですね。知らなかった!?ただヘリウムガスを吸わせた時の鳴き声って、通常とさほど変わらないような気がするのですが、気のせいですかねえ・・・!?

 

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イグノーベル心理学賞:ナルシストを眉毛で判断すること方法を考案したことについて

 人は外見で判断してはいけないとよく言われますが、そうはいってもやはり外見で判断しがちです。身だしなみがきちんとしているは信頼は置けるし、だらしない人はやはり信頼は置けないと思います。

  今回のイグノーベル心理学賞はその見解に関連しているかどうかはわかりませんが、カナダのトロント大学の研究者チームは眉毛から性格や心理状態が分かるとし、整えられた太い眉毛の人ほどナルシストの傾向が顕著になると結論付けたそうです。何でもには、人の顔の認識を楽にするという役割があるので、ナルシストはすぐに自分を認識して欲しいと願うため、より大きく整った眉を描くとのこと。

 研究についての詳しいものがなかったので、何とも言えませんが、これは女性のことを言っているのではないかと、私は思うのですが・・・。男性は眉毛をさほど気にしないし、ましてや整えることはあまりしないと思うけど・・・。

 そういえば、20数年前に同郷の総理大臣がいて、その長くて白い眉毛が話題になったことがありました。好き嫌いはともかく、私はその時に「日本の総理なんだから身だしなみをきちんとせんと!!、そのみっともない眉毛をどげんかせなダメで!!」と毎日のように思っていました。(九州の言葉ですいません。)

 

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イグノーベル平和賞お互いの外交官が夜中にピンポンダッシュを繰り広げたことについて

  イグノーベル賞は毎回とは言いませんが、世情を皮肉っているものが受賞されることも多々あります。今年は新型コロナウイルスのこともあって、今年は2件がノミネートされています。そのうちの1件がこの平和賞。

 対象となったのはインドパキスタンの外交官。インドとパキスタンは仲が悪いことは国際的によく知られていますが、2018年にカシミール地方の領有権を巡って両国の国境付近で軍事衝突が発生しました。これに伴いイスラマバードインド大使館員とデリーのパキスタン大使館員はお互いがそれぞれ嫌がらせを受けていると発表しました。嫌がらせとして、尾行や電気や水道が止められたり、そして真夜中にピンポンダッシュを受けたとするものです。

 実際の被害についてはパロディにするほど笑っているレベルの問題ではないのですが、これをあえてイグノーベル平和賞としたのは、お互いのやっていることはピンポンダッシュをするような小学生のレベルで、みっともないことだとインド・パキスタン両国に訓戒しているように私には思えます。

 ちなみにピンポンダッシュって、万国共通だったんですね?私はずっとこれは日本特有の悪戯だと思っていました。

 

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イグノーベル物理学賞生きているミミズに高周波を当て振動させると形がどうなるかについて

  イグノーベル賞には私の頭では理解できない賞、というか研究成果が毎年2,3出てきます。このイグノーベル物理学賞の研究がまさにそれ!!もともと物理は学生の頃から全く履修していないので、物理という学問が一体何をする学問なのか、いまだにわかっていないこともありますが・・・。

 物理学賞の研究内容は「振動を受けた生きたミミズのファラデー波のような体の動きの励起」というものですが、結局ネットにある説明文を読んでも何を言っているのかちっとも理解することができません。ちなみにファラデー波とは水を途中まで入れた容器を鉛直方向に一定の振動数で動かすと水面に波が出現する。この波のことをいうそうです。(コトバンクより引用)

 分からないことだらけですが、ただ大量のミミズで実験を行ったら、見るに堪えないグロテスクなものになることだけは、何となく分かります・・・。

 

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イグノーベル経済学賞様々な国の国民所得格差とキスの平均の頻度の関連性を研究したことについて

  キスについては2015年に日本人の医師の木俣肇さんが「キスをすることで皮膚のアレルギー反応が低減する」ことを実証して、2015年にイグノーベル医学賞を受賞されています。キスに関する受賞は5年ぶりで、今回は経済学賞と前回同様にロマンティックなキスとは全然無関係な分野での受賞となりました。

 研究チームは世界中から3109人の参加者を募って、キスの頻度などを調査した結果、「平均所得が低い国ではキスの頻度が高くなる」という傾向を立証しました。なぜそうなるのかは資料がないので(というよりあるにはありましたが英語の論文だったので、読めなかったのが事実です)わかりませんでしたが、私なりに推測すると、

  • 娯楽が少ない。
  • 親密な関係を作るにはキスが大事。
  • 男女とも早熟で、大人のやっていることを真似する。

と、ない知恵を振り絞って考えましたが、熱愛中のカップルにとっては余計なお世話かと思います。まあ考えようによってはずいぶんと失礼な話になってくるのではないかと思いますが、いかがなのでしょうか!?

 ちなみにこの調査では、日本は対象から外れていたようです。キスをする文化がないので、当然と言えば当然のことでしょうが・・・。

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イグノーベル経営学賞:中国の殺し屋が請け負った殺しを5次まで下請けに出したが、結局殺人は決行されなかったことについて

  下請け→孫請け→ひ孫請け→・・・・。建設業界で日常茶飯事とされていることが殺し屋の世界にでもあったのですね。所は中国の広西チワン族自治区。最初の依頼人は200万元の報酬でしたが、最後の5次下請けの人の取り分は10万元と最初の人の20分の1、元が日本円でどれくらいの価値になるかは分かりませんが、これでは危険を冒してまでも人を殺そうとは思いませんね。案の定、5次下請けの人はターゲットと共謀して、ターゲットが死んだことにして、依頼は完了しました。

  結局ターゲットが警察に行ったことから、依頼者と5人の元請け→下請け→孫請け→ひ孫請け→玄孫請けの殺し屋たちはは逮捕されましたが、人が死なずに済んだのはなによりです。ただ依頼主にしてみれば、たまったもんではありませんねえ!!大金を払ったのに、ターゲットは死なず、挙げ句には自分が捕まってしまうなんて・・・。まさに踏んだり蹴ったりの話です。

 ひょっとしたら、経営学賞というのだから、「殺人は割に合わない」ということをこの件で立証したかもしれませんね!!

 

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イグノーベル昆虫学賞:昆虫学者の多くが、昆虫ではない蜘蛛を恐れていたという証拠を集めていたことについて

  この賞について、まず驚いたのは蜘蛛が昆虫ではないということでした。Wikipediaによると昆虫とは「六脚亜門の昆虫網に分類される節足動物の総称である。」とあります。つまり脚が6本あるのが昆虫で、蜘蛛は脚が8本あるのので、昆虫ではなく、蜘蛛類になるそうです。

  この賞を受賞されたリチャード・ベッターさんは「アメリカ昆虫学誌」と言う雑誌に載せたエッセイが賞を受賞したようで、それによると昆虫学者に「蜘蛛が怖いか」アンケート調査を行ったところ41人中10名が蜘蛛恐怖症と答えたそうです。蜘蛛も昆虫もグロテスクと言えばグロテスクに見えないことはないと思うのですが、昆虫学者さんに取っては、蜘蛛は別物と判断するのでしょうねえ・・・。

  ただ昆虫学者は嫌いとか怖いとかで、我々一般ピープルのようにスリッパや新聞紙で叩いたりすることはないようです。そこはやっぱり研究者、昆虫ではなくとも研究対象となる生き物を粗末にすることはないんですね!!

 

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イグノーベル医学賞:長い間無視されてきた、他人が飲み食いする音を苦痛と感じる症状を「咀嚼音嫌悪症」と診断したことについて

  私は人が物を食べるときの音が結構に気になるタイプです。中にはこの人どういう躾をされてきたのか疑われるほど、ぺちゃくちゃと音を立てて食べる人(クチャラーと呼ばれるようですが)がいます。そして彼らの多くは自分が出す騒音が周りを不快にしているとは気が付いていないようです。

 私はいくら美男美女でも、仕事ができ格好良くともそういう人には近づくのも億劫、というか距離を置くようにしています。「勘弁してよ!!」というのが偽らざる心境です。ただ不快だからといっても、なかなか注意できないのが現状ではないでしょうか!?私と同じような思いをしている人は口には出さないけど結構いるような気がします。

 私のように他人が食事をするときの音を苦痛と感じることを「音嫌悪症(ミソフォニア)」と呼びます。今回イグノーベル医学賞を受賞したオランダとベルギーの研究チームはミソフォニアの症状のある42人の被験者をネット上で集めて調査を行い、他人が飲み食いする咀嚼音が否定的な感情を呼び起こすことを実証しました。そして研究チームはミソフォニアを精神障害として扱うことを提案しています。

 ミソフォニアに関しては、単なる神経質の域を出ないと思われがちですが、患者(?)の中には通常の生活も困難になる人もいるようです。今回のイグノーベル賞の受賞を通して、患者さんたちの切なる思いが世間一般に理解できるようになればいいですね。

 

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イグノーベル医学教育学賞:新型コロナウイルス感染症の大流行は、科学者や医師より各国首脳のほうが人の生死に即効性があることを世界に教えたことについて

  昨年末、中国湖北省武漢で発生が確認された新型コロナウイルスはあっという間に世界中に広まり、今年3月には世界保健機構(WHO)はパンデミック(世界的大流行)を宣言しました。

  パンデミック宣言以降、新型コロナウイルス流入を防ぐため、世界各国は入国制限を掛け、また都市封鎖や国内の移動を制限をしました。その結果コロナ・ショックと呼ばれる世界的な株価の大暴落を招き、各国とも社会的・経済的に壊滅的なダメージを与えました。現在でも感染拡大は収まっておらず、これから冬場を迎えるに当たり、さらなるパンデミックが懸念されており、世界経済がいつ回復するのかの目途さえも立っていません。

 そんな中でのイグノーベル医学教育賞、アメリカのトランプ大統領を筆頭に、ロシアのプーチン大統領、イギリスのジョンソン首相、インドのモディ首相など世界の重鎮が軒並み受賞されています。受賞内容の「新型コロナウイルス感染症の大流行は、科学者や医師より各国首脳のほうが人の生死に即効性があることを世界に教えたこと」はそうした指導者たちへの痛烈な皮肉でしょうが、彼らのとった初期対応はお粗末と言わざるを得ず、中には自分は絶対に新型コロナウイルスに感染しないと言っておきながら、感染してしまった首脳もいます。恐らくですが、彼らは新型コロナウイルスを甘く見ていたのではないか、今までの変異型ウイルスの流行を見て、自分の所には火の粉は舞わないと楽観視していたことが命取りになったのだと思います。

 そもそも、マスクもせず、キスやハグをする、いわゆる濃厚接触のある文化圏が感染対策も何もせずやると、爆発的に感染が拡大するのは日本人なら誰でも分かることで、感染が拡大した欧米諸国がそのことに全く気づかないでいたことに、私は驚きを隠しきれませんでした。

  今回のイグノーベル医学教育賞、幸いなことに日本の安倍首相は受賞されていません。安倍首相及び日本政府の新型コロナ対策ですが、これについては様々な意見があります。ただ初期のドタバタしたお粗末な対応もありましたが、結果的には感染者の死亡率も低く抑えられていることから、結果的にはうまくいっているのではないでしょうか?政府の対応に批判があることは確かですが、世界各国と比較して、感染者数や首謀率を低く抑えていることは評価してもいいのではないかと思います。

 さらに言えば、私は安倍首相や日本政府より、マスメディアのほうが、新型コロナウイルスの感染拡大を招いたのではないかと思います。新型コロナウイルスの実態も分からない中、恐怖心を煽り、PCR検査を徹底すれば解決するという誤った概念を国民に植え付けたことは、間違った行為だったと思います。最近NHKのラジオ番組でPCR絶対主義は誤りだったといった内容で釈明みたいなことを弁明していましたが、詳しい内容を精査もせず、自分たちの主義・主張を一方的に流すことはいかがなものか?新型コロナウイルスがらみの放送を見て、常々そう思いました。

 あとイグノーベル賞の選考委員に忖度があったかどうかは定かではありませんが、中国の習近平国家主席がイグノーベル医学教育賞を受賞されなかったのは、私としてはどうしても納得がいきません。今回のコロナショックの元凶となった新型コロナウイルスを蔓延させておきながら、謝罪一つもないなんて・・・。中国が情報を公開し、早めに手を打っておけば、このような世界的規模の大恐慌にはなっていなかったはずで、怒りを通り越して殺意さえ感じます。ちょっと物騒な話になってしましましたが、中国は今回のパンデミックについては大国らしい対応を見せてくれることを期待しています。(無理でしょうけど・・・。)

 

 

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イグノーベル材料工学賞:凍結した人のウンコから作ったナイフは役に立たないことを実証したことについて

  イグノーベル賞では下ネタや排泄についてはよく取り上げられるテーマであり、ウンコについては昨年のウォンバットが四角いウンコをする研究に次いで2年連続の受賞となりました。

 カナダの人類学者で作家のウェイド・デイヴィスは、1998年に自らの著作で、イヌイットの老人が自分のウンコでナイフを作って犬を殺すエピソードを紹介しました。今回イグノーベル賞材料工学賞に受賞された研究はウンコを使ってナイフは作れないことを実験で確かめたものです。

 それにしても、ウェイド・デイヴィスさんにとってはとんだ災難でしょうねえ!?デイヴィスさん、これからは大変だと思います。デイヴィスさんが「どうせバレやだろう」と自らの作り話を書いたのか、それとも実際に調べもせずにイヌイットの老人の戯れ言を書いてしまったのかは定かではありませんが、いずれのケースでもデイヴィスさんはしばらくは針の筵の生活がつづくでしょうねえ、身から出た錆とも言えなくはないですけど・・・。
 

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おわりに

  人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究に授与されるイグノーベル賞、令和になっても日本人研究者の勢いは止まらず、これで14年連続受賞という快挙を達成しました。最近は新型コロナウイルスの影響下、暗いニュースが多かったですが、久々の明るいニュースで、同じ日本人として喜ばしい限りです。

 昨年の記事にも書きましたが、今の日本は研究費や研究者数の減少で、学術論文の数は減少傾向にあり、2018年現在では世界第6位と中国・アメリカ・インド・ドイツ・イギリスの後塵を拝しています。2016年には中国・アメリカに次いで世界第3位だっただけに、“科学立国日本”のとしての研究力の低下が危ぶまれています。ただ14年連続で日本人がイグノーベル賞を受賞したことをみると、日本もまだまだ捨てたものではないと思います。

 来年はイグノーベル賞創設30年になります。もし来年日本人がイグノーベル賞を受賞するとなると15年連続になります。創設30周年と記念すべき年にまた吉報が来ることを今から心待ちにしております。

 

過去の記事から

 イグノーベル賞についての過去の記事です。今回でイグノーベル賞を話題にする記事は7個めになります。毎回毎回興味津々、記事を書くのが楽しみとなっています。

 

kitajskaya.hatenablog.com

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参照:2020年9月19日付 産経新聞 社会面 

    ワニもヘリウムで声高く イグ・ノーベル賞に京大准教授ら

   2015年8月22日付 日本経済新聞 

    ワニもヘリウムガスで変な声に 京大など発声法解明

   Wikipedia イグノーベル賞受賞者一覧、ピンポンダッシュカシミール、昆虫

    SARSコロナウイルス2、新型コロナウイルス感染症の世界的流行(2019年-)

    2020年の株価大暴落、2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響

   Chem-Station イグノーベル賞2020が発表 ただし化学賞はなし

   JBpress イグノーベル賞は○○○がお好き?涙を誘う大研究

         2020年イグノーベル賞、10本の受賞作品

   togetter 2020年のイグノーベル賞が決定!!

   日本科学未来館 科学コミュニケーターブログ

    祝!14年連続日本人受賞!!ワニもヘリウム声になる!?

  Womenn'sHeaith 完璧に整えた眉はナルシストの証!?

            人格の研究から判明、「眉と性格の関係性」

  コトバンク ファラデー波とは

  Gigazine 人を笑わせ、そして考えさせる

     「イグノーベル賞」の2020年度の受賞研究が発表 日本人は14年連続受賞

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